【天才バカボン】掃除バカ、レレレのおじさんはマッチョになれる才能を持っている貴重なキャラ

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 まずはこの画像をご覧頂きたい。故・赤塚不二夫のギャグ漫画「天才バカボン」に登場する、レレレのおじさんというキャラが、完全にマッチョになっているのである。レレレのおじさんは本来、筋肉要素がないキャラクター。

いったい、なぜこんな事になっているのか。ことの真相は腹筋マシンで有名なあのワンダーコアが天才バカボンとコラボCMを制作したことにあった。YouTubeにアップされていたCM動画を見ると、「レレレ腹筋」などと言いながら、レレレのおじさんが筋トレをし、腹筋および大胸筋を披露している。

 

ワンダーコア×赤塚不二夫作品コラボCM 「レレレ腹筋編」30秒

 

腹筋の1ブロックがレの文字になっており、なるほど、そうきたか! 上手いじゃないか! と思った。ただ正直、カワイイ漫画のキャラクター映像から最後に来るこのマッチョドカーン腹筋フルオープン展開は視覚的な破壊力がすさまじいため、「フィジカルを鍛える漢の世界」というものをまだ知らない3歳前後のチビッ子であれば間違いなく号泣ものだろう。もしその様な状況のチビッ子がいたら、ご両親には是非とも「筋肉は恐くないよ、友達なんだよ」と優しくフォローをして頂き、筋肉に目覚めさせて頂きたい。

しかし、よくよく考えてみると、このCM、マッチョにすべきキャラとして、数多くいる天才バカボンのキャラの中からレレレのおじさんをチョイスしたのはとても良かったのではないだろうか。理由を挙げたい。

 

■レレレのおじさんは掃除バカ

 レレレのおじさんは、「くりんくりんくりん」と謎の言葉を言いながらひたすら掃除をしているキャラクターであり、一言で言うと、掃除バカである。完全な脇役ではあるものの、天才バカボンを知っている人で彼の存在を知らない人はいない魅力あるキャラ。割と重量のある竹ホウキでの掃き掃除を毎日毎日している。これはトレーニングなどの「繰り返す」行為の素質が極めて高いという証拠なのだ。

 ホウキで掃く、というような一見単調な行動は、「同じことを繰り返していて飽きないのか?」という疑問を周りから持たれやすい。ジムで追い込むトレーニングもそうだ。何故続けることができるのか、不思議だと思っている人もいるのではないだろうか。その理由は、その行動の中で出会う発見や続ける事によって得られる喜びなどがあるからなのだ。レレレのおじさんは、掃き掃除の中に楽しみや喜びを見出しているからこそ、毎日「くりんくりんくりん」と言いながらホウキで掃除ができているのだろう。つまり楽しみを見つける天才なのである。だからきっと単調に思える筋トレをしたとしても、同じように楽しみや喜びを数多く見つけ出し続けていくということが、天才バカボンに出てくる他のどのキャラよりも出来るに違いない。

 

■25人の子供を育て上げる為にはじめた掃除

  実はレレレのおじさんは、5年連続5つ子を授かるというあり得ない展開で25人の子供を持つことになった父親である。この少子化時代の現代から考えると、とんでもないエピソードの持ち主である。25人もいれば、当然、毎日てんやわんやになる。子供を学校へ行かせたり、食事や風呂などに移動させるときに大変過ぎるために、悩んだ末、時間を短縮するためホウキで子供を掃くという方法でまとめて移動させる事を思いついたのだ。

 そして若かりし頃のレレレのおじさんはホウキで子供を掃き続けていくことになる。現実ではあり得ない虐待と批判される可能性がある豪快な行動ではあるのだが、漫画の世界であれば面白くユーモアがある行動である。しかし、そんな生活にも終わりが来る。子供たちが大人になりその必要がなくなったからだ。

 さらにその後、愛する妻に先立たれた。こうしてレレレのおじさんは掃除をする必要もなくなり孤独になってしまったのだ。あの多忙な日々から一転、静かな日々になったレレレのおじさん。世の中の為にも町内や地球をホウキで綺麗にしながら、その自らの寂しさを紛らわす為、毎日掃除をしているというのだ。このエピソードは第149話で観ることができ、泣けた。

(参考:元祖・天才バカボン 第149話「レレレのおじさんの意外な過去なのだ」

 

■ボディビル選手権マスターズに出場してほしい

  寂しさを胸のうちに秘めながら、ポジティブに掃除をしているレレレのおじさん。バカボンのパパに、お前は掃除しか能がないくせにと言われても、掃除を続けるキャラこそマッチョにふさわしい。まさにCMに選ばれるべきキャラであると断言していいだろう。レレレのおじさんには是非とも、これを機会に筋トレに目覚めて頂き、ボディビル選手権マスターズ、60歳以上の部に挑戦して頂きたいものである。漫画界のボディビル選手権が開催され、たとえ北斗の拳やグラップラー刃牙のキャラ達が相手になったとしても、上位に食い込めるトレーニー素質の持ち主ではないだろうか。

 

(文・編集部)

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