【特別コラム・舟橋 立二さん】筋機能の分析〜観点を少し変えてみよう!《筋肉の3つの役割》
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舟橋 立二さんのプロフィール:
(CSCS, JATI-ATI, FA Medical Level2)
日本に帰国し、日本大学バスケットボール男子・女子部のヘッド・トレーナーとして日本一(男子のみ)を経験する。
その後、三菱重工相模原ラグビー部にて5年間ヘッド・トレーナーを務め、
現在はプロバスケットボールチーム東京エクセレンスのメディカル・スーパーバイザーとなり、
2013-2014シーズンで優勝に貢献する。
また玉川大学サッカー部のストレングスコーチとしても活動する。
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前回の記事(筋の機能を考える時に考慮する4つのポイント。【筋機能の分類】)では、
非常に多くの方に読んで頂きました。ありがとうございます。
今回は、前回の記事に関連していますが、
教科書で一番始めに習うようなことも観点を変えるとアプローチが変わるというお話をさせて頂きます。
《筋肉の3つの役割》
まず学校では、こう習います。
◉コンセントリック・コントラクション(短縮性収縮)
◉エキセントリック・コントラクション(伸張性収縮)
◉アイソメトリック・コントラクション(等張性収縮)
これについてはみなさん、もちろんご存知ですよね?
すべての筋肉が、3つの役割があり、場面によって使い分けます。
ただ、それぞれ筋によって上記の中の
☆一つの役割に効果的☆というものがあります。
例えば、「広背筋」
この筋肉は、肩関節の『伸展』『内転』『内旋』が主な動きです。
これは、投球動作など矢状面での腕の加速をパワフルに行うものです。
※回旋動作などもです。
生体力学的に大きな可動域で、速いスピード、高強度の力を発揮することが出来ます。
つまり、役割では、コンセントリックが得意な筋肉であると言えます。
逆に、「肩甲下筋」はどうでしょう。
この筋肉は、コンセントリックより肩の過度の変位を起こさないように上腕骨頭を安定させるエキセントリックが得意な筋肉です。
《観点を変える》
上記のように筋肉には、3つのすべての役割がありながら、それぞれお得意な分野があるということです。
そうするとこのように考える事が出来ます。
◉コンセントリック→可動機能(Mobility)
◉エキセントリック→安定機能(Stability)
◉アイソメトリック→姿勢制御機能(Postural control)
StabilityやMobilityが、筋肉の特徴によって決まっていると考えられています。それはあくまで★解剖的ロケーションと構造★からの考えです。
1関節筋はStabilityで、2関節筋はMobility。
深層筋はStabilityで、表層筋はMobility
など。
筋肉の特徴を良く知り、それがMobilityが得意なのか、
Stabilityが得意なのかによってアプローチも変わるかと思います。
ただ、がむしゃらに1つの筋肉をコンセントリック、エキセントリック、アイソメトリックすべて同じ量で行えばいいのでしょうか?
観点を変えると、より深くトレーニングも考えることが出来そうですね!
参考文献:
Comerford, & Mottram., 2013 “Kinetic control” Churchill Livingstone.
Sharman, S.A., 2002. Diagnosis and treatment of movement impairments syndrome. Mosby, St. Luis.
長島 解剖学アトラスⅠ P.141 文光堂
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