【特別コラム・舟橋 立二さん】スラムダンク勝利学。「自分のために」と考えて他人に尽くす
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舟橋 立二さんのプロフィール:
(CSCS, JATI-ATI, FA Medical Level2)
日本に帰国し、日本大学バスケットボール男子・女子部のヘッド・トレーナーとして日本一(男子のみ)を経験する。
その後、三菱重工相模原ラグビー部にて5年間ヘッド・トレーナーを務め、
現在はプロバスケットボールチーム東京エクセレンスのメディカル・スーパーバイザーとなり、
2013-2014シーズンで優勝に貢献する。
また玉川大学サッカー部のストレングスコーチとしても活動する。
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『スラムダンク勝利学』168ページ より画像をお借りしております。
< 著者 辻秀一 先生 発売元 集英社>
http://www.amazon.co.jp/スラムダンク勝利学-勝利学シリーズ-辻-秀一/dp/479767024X
■自分のためでいいじゃない!
舟橋さん:「将来はどんなトレーナーになりたいですか?」
学生の回答:「選手のために自己犠牲出来るトレーナーになりたいです!」
こんばんは。
スポーツトレーナーコーチング・コーディネイター(STCC)の舟橋です。
本日は、「自分のため」に働こう!というテーマでお話させて頂きます。
《スポーツ・トレーナーの理想像》
学生や若手トレーナーにどんなトレーナーになりたいですかという質問をするとだいたいの人がこう答えます。
「選手のために役立つトレーナー」
素晴らしい夢を持った答えですよね!
じゃ自分のために業務を行うトレーナーは失格なのでしょうか?
《「自分のために」と考えて他人に尽くす》
漫画スラムダンクから心理を読み解く「スラムダンク勝利学」の中に、
メガネ君こと小暮くんが主人公桜木花道の練習を手伝うシーンについて書かれています。
花道は、「俺の為に」と言っていますが、これは小暮くんが
☆自分のため☆に行っている行動だとしています。
これは、チームが負けることによってインターハイ出場が不可能になり引退しなければならないということからの「自分のため」の行動だと述べています
その心理は、他人に尽くすことで、それが自分に帰ってくるということを知っているからです。
これはSelfish(わがまま)とは違います。
本当にわがままに自分のためというならば、花道の手伝いをせず1人でシュート練習に励むことでしょう。
話は少しずれますが、私の経験で、自己犠牲をすることがいいことのように話されたことがあります。
「私は、自分の寝る時間も惜しんで、家族を犠牲にして試合の分析をしている。チームのためにやっているだ」と。
これはこれで素晴らしいことだと思いますが、何かひっかかります。
犠牲にすることが美談のように語られても・・・・。
☆自分自身のためにやっている☆だからチームの分析をして勝たせようとしているで良いのではないかと考えます。
《トレーナーの「自分のため」とは?》
一見、トレーナーが自分のためというと、わがままなやつだと思われるかもしれません
しかし、基本人間自分のために生きています。
その☆自分のため☆をどういう観点で捉えるかだと思います。
自分の意志で、この選手を何日までに復帰させる。
それは自分が勝手に決めた「自分のため」の目標。
だからそれに向けて一生懸命勉強し、選手の尻を叩いてリハビリをさせる。
失敗は、「自分のため」にならない。
それが結局、自分の評価にもつながりますし、選手からの本当の意味での信頼を得るものだと信じます。
「選手のため」だけを考えてしまうと甘えが出るかと思います。
私達は、プロです。仲良しこよしだけではチームは勝てません。
『自分よがり』と『自分のため』の使い方を間違えないようにしたいですね。
(文:舟橋 立二)
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