【特別コラム・山田崇太郎さん】物申す!女性が暴漢に護身術で対抗できると思わせるのは無責任すぎる【前編】
(屈強な男性に、後ろから抱き付かれている山田)
暗いところでサンドバッグ叩いたり軽い筋トレするだけで45分で1000kcal消費するってあからさまに誇大広告打ってる業者に公正取引委員会の指導が入らないのかって事とそれを真に受けちゃう女子が信じられない山田です。サンドバック叩いてるだけでそんなにカロリー消費するならボクサーは減量苦労しないでしょ。ジムワーク(サンドバッグ叩いたりミットしたりスパーリング)に加えて食事制限して走って必死に体重作っているんですよ。
一般の女子がボクサーよりハードにやってるとお考えなのでしょうか? パンチを本格的じゃない非効率なフォームでやっているから消費カロリーが高い? 素人が教える自体重トレーニングで消費するの? もう暗いとこで大音量で音楽聞くくらいしか期待できないな。そうだとしたらクラブ行くだけで痩せそう。こんな根拠もない嘘ついて人騙して金儲けして倫理観ないのかな?(震え声)
■身を守る為に護身術ってどうなの?
習い事関連でいうと護身術ってどうなの? 私の中ではサブカル枠。運動不足解消で選択しているならOKですが、身を守る為にとお考えなら辞めておくのが吉。犯罪や災害から身を守るための知識や技術を知ろうとする事は素晴らしいのですが、女性が暴漢に護身術で対抗できると思わせるのは無責任すぎるでしょう。まず暴漢として想定しているのが素人の男性なのかな? 拳銃持ってる暴漢が来たら格闘家でも対処できませんよ。
後ろから抱き付かれたらハイヒールで暴漢の脚を踏みつけるとか、相手に手首を捕まれたらこう返す、小手返しで手首を捻る、ガードから腕十字(ツッコむところです)一時的な痛みを与えて脱出する技術を指導する道場がありますがそうそう通用しないでしょう。知らないより知っているほうがいいと思うかもしれませんが、選択肢が多くあるはずなのに知っていると技術って使いたくなるんですよ。固執してしまう。そもそも非日常な危機的状況でパニックにならない胆力を養う方がいいかも知れません。
■非現実的で無責任な動画がYouTubeにはある
正直なところ、護身術を実演している無責任な動画がYouTubeに上がってきますけど非現実的。あと路上の実践を想定している武術。これって日本国内の設定ですかね? 大体の内容が繁華街で因縁付けられて取っ組み合いから始まる喧嘩や対複数戦の想定で道具も刃物程度が多いです。自分の命を守るのが最優先としても相手をぶっ飛ばしたら過剰防衛になる確率が高い日本の法律。ヨハネスブルクみたいにいきなり銃で撃たれる現実は想定してませんよね。そもそも突発的なトラブルでなくて計画的に命狙われたらどうするのよ。アウトレイジみたいに車の横に原付で横付けされて銃撃されるとかさ。いやはやルールに守られているスポーツ格闘技楽しい。
■推奨する護身。危険を回避する、護身術も使わないことが最善
個人的に推奨する護身はまず人の恨みを買わない。常に命狙われて相手が捕まることを厭わない人間だったら超危険。人を殺すことじゃなくて殺した後に逃げたり捕まらないのが難しいんですよ。日常の多くも信頼や信用で成り立っているだけで命なんて簡単に奪えるでしょう。家で家族に寝込み襲われたらどうします? 道歩いてるときに交通法規無視して車が突っ込んで来たら避けられないでしょ? 無理ですよね。次に危険な状況に身を置かないとする心構えが大事。危険を回避する、護身術も使わないことが最善。もし危険に陥った場合は被害を最小にするようにします。
■持久力が一番勝率の高い体力要素
その方法として前述の護身術の技術などを使う場合もありますが、基本相手を格闘技のように倒す事ではなくその状況から逃げる手段として考えます。しかしどうやってもままならない事態はあるでしょう。護身を考えるなら長距離走れるようにして置くのがお勧め。暴漢と体力比べ。筋力では少し鍛えたくらいでは男女の差は埋まりませんが持久力がおそらく一番勝率が高い体力要素です。走って逃げましょう。
ただ、紛い物ばかりの中にもホンモノはあるんです。(続く)
(文・山田崇太郎)