スポーツ選手なら常識? 筋トレ時の「リズムの習得・精度向上」が「パフォーマンス強化」に繋がる

001 209 - スポーツ選手なら常識? 筋トレ時の「リズムの習得・精度向上」が「パフォーマンス強化」に繋がる

 筋トレの中でリズムを意識していますか? 全身でビートを刻んでいますか?

 

 Twitterで行った独自アンケートによると、54%の人はリズムを意識しながら筋トレしていると答えているものの、46%の方は「あまり意識していない」「意識してやりたいけれど正解のリズムがわからない」「筋トレにリズムなんてあったの?」と答えています。半数近くの方はリズム感を意識しない筋トレを日々行っているようです。

(アンケート:筋トレの動作で「リズム」を意識して行っていますか?  回答335票)

 

■リズム感の差が勝負の分かれ目?

 スポーツの分野では、世界のトップレベルで活躍できる選手になるためにはパワーやスタミナ、テクニックだけでなく、リズム感が必要不可欠だといわれています。たとえば、トップレベルのサッカー選手は上手く速い、そして強いということはご存知だと思いますが、これはリズム感が圧倒的に優れているからというのはもはや常識になりつつあります。

 

 サッカーの例では、ネイマールやメッシなどの超絶プレーをイメージすると分かりやすいかもしれません。リズム感の良さは動作の引き出しの多さ、パワー出力、トップスピードに到達するまでの時間の短さに繋がります。また、リズム感があることで、動作に緩急(一連の動作におけるスピード落差)が大きく生まれるので、相手へのフェイントも決まりやすいのです。

 

 リズム感はサッカーに限らず、陸上などの競技のパフォーマンスアップにおいても極めて重要です。実際、アスリートを長年指導してきたトレーナーさんたちも、選手のレベルが高くなればなるほどリズム感の精度も高くなる傾向にあると語っています。また、リズム感の精度が低い選手ほどケガもしやすいとのこと。

 

■リズム感の向上による様々なメリット

 また、リズム感の向上によって動きのロスが少なくなるので、単純に持久力もアップします。さらに、正しいリズムでの動作とは筋肉が的確に動くことでもあるので、血流がスムーズになり、冷え性や肩こりの改善という効果も期待できます。つまり筋肉の柔軟性が上がり疲れにくい肉体になるということです。リズム感を向上させることのメリットは想像以上に多くあるのです。おそるべし、リズム感の威力です。

 

■筋トレ種目や目的によって正解のリズムは変わる

 習得すべきリズムは競技や筋トレの種目(自重、ウェイト含む)によって変わります。たとえばバスケやサッカーなど、クイック動作が求められるスポーツ競技では、緩急のあるリズムを習得していく必要があります。また、たとえばボディメイクのためのトレーニングでは、部位を長く刺激して筋肥大させることが目的となるため、緩急の激しくないリズムを意識することが重要になります。最大筋力の向上だけでなくリズム感の向上も意識してトレーニングしていくことが、効率的な最強トレーニングの鍵となります。

 

 さて、リズム感が競技やトレーニングにおいて重要であるならば、それはどのように高めていけばいいのでしょうか?

 

■正解のリズムと自分の動作とのズレを客観的に把握する

 常に正しいリズムを意識しながらトレーニングを行うことでリズム感は向上していきます。しかし問題は、自分が正しいリズムでトレーニングできているかどうかをどうやって知るのか、ということです。まず、基本的に「正しいリズム」がどのようなものかはトレーナーさんが把握しており、口頭または音楽を用いる等の方法でそのリズムを教えてくれます。

 

 その上で、自分がその正しいリズムで動作を行えているかを自分で確認できなければいけません。そのためにはセンサーを用いて客観的な数値で確認するのが最も適切な方法です。2018年の現在、加速度センサーなどが安価になり、簡単に利用できる状況になり始めています。自分の動作を客観的に把握するということはどんどん身近なことになり、誰もが、リズムを意識した筋トレを行えるようになっていくでしょう。

 

(文・編集部 監修・瀧本修)

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