【パワーリフティング集中連載】伊勢崎 勝史選手「BIG3はトレーニング愛好家からパワーリフティング競技者まで幅広い方がやっている」
インタビュー日時:2017年5月15日(月)
場所:東京都目黒区三田2-1-12 Master Mind
パワーリフティング、伊勢崎 勝史選手。「日本一美しいフォームのデッドリフト」と評されるほどのデッドリフトの技術を持つトップ選手だ。彼のデッドリフトを目の前で見させていただいたが、あまりにもあっさりと上げ切ったためデッドリフトの動作のどこかをまばたきのせいで見逃したのではと思うほどで、素人目にも他の選手とは動作スピード以外の何か他の要素でも違いがあるということがわかるデッドリフトであった。そんな伊勢崎選手にパワーリフティングとの出会いや今後の目標について話を伺った。
■伊勢崎 勝史選手(Twitter:@katushi001)
2015国体公開競技、2016ジャパンクラシック優勝。公式ベスト74kg級ノーギアT650kg。
──フォームが綺麗で驚きました。まったく軸がぶれないですね。
ありがとうございます。
──やはりフォームに対するこだわり、思い入れは強いのですか?
はじめてBIG3をやった時に単純に一番重量を扱えたのがデッドリフトで、それからずっとフォームが変わらないまま伸ばしてこれた種目なんです。思い入れはけっこう強いですね。
──デッドリフトにおけるフォームのポイントはどういうところになりますか?
自分はやはり軸づくりに一番気を付けています。土踏まずから肩甲骨までしっかりそろえて、その軸を作ってから、まっすぐ足を押していくようなイメージです。
──パワーリフティングを始められたきっかけは?
高校までは柔道をやっていまして、その補強のひとつとしてトレーニングをやっていました。トレーニングはずっと好きでやっていたんですけど、大学受験の期間は長い間運動をしていなかったので、大学に入学した時に、ちょっと運動不足を解消したいなという目的でウエイトトレーニング部に入ったのですが、そこにパワーリフティングという競技をやっている人たちがいて、パワーリフティングと出会いました。もともとは健康目的でトレーニングを始めたんですけど、いつの間にか重量を上げるのが楽しくなってきて、そこからパワーリフティングにのめり込んでいきました。
(伊勢崎選手の分厚い手と前腕部。ここだけを見ても全身の強さが存分に伝わってくる)
──どういったところがパワーリフティングの魅力ですか?
僕の個人的な価値観なんですけれども、ボディメイクというよりは、単純に重い重量を持ち上げるのがかっこいいというか、楽しいというのがあって、それがのめり込むきっかけになりました。あと、みなさんおっしゃっていたと思うんですけど、絶対重量として記録が残るので、自分がそれまでやってきた取り組みが客観的にそのまま評価されるのが魅力だと思います。やっぱり、目標を立てて、それを小分けにしていって、その目標がクリアできたら楽しいですし充実感があります。
それと、BIG3はトレーニング愛好家からパワーリフティング競技者まで幅広い方がやっていらっしゃるので、敷居がすごく低いと思います。みんな気軽に楽しめる競技だとは思うので、そういったみんなで体験を共有できるという魅力もあると思います。
──これからの目標などあればぜひ教えてください。
僕の階級の日本記録がトータル690kgですので、来年の2月の全国大会でそれを更新するのが今の目標です。そのまま世界大会に出場し、ある程度の結果、自分が納得するような結果が残せれば良いなと思います。それと、パワーリフティングという競技を少しでもみんなに知ってもらえるように、SNS等も上手く使いながら情報の拡散をしていきたいなと思っています。
(インタビュアー・富樫重太 文・取材班 編集・マッスル剛志)