【朗報】表情筋の重要性に気付いた日本マクドナルドが「スマイル0円」を復活
日本マクドナルドが「スマイル0円」を復活
[東京 21日 ロイター] – 日本マクドナルドホールディングス <2702.T>は21日、消費者の声を受け、野菜を使った新商品を発売する。また、分かりやすいセット価格やメニュー表の導入などの改善を図るほか、メニュー表には「スマイル0円」も復活させる。
同社は、5月25日を「マックスマイルの日」と定め、新たな施策を導入する。サラ・カサノバ社長兼CEOは会見で「消費者の要望に応えた変化を実感してもらいたい。まだまだやるべきことはたくさんあるが、新しい1ページだと思っている」と述べた。今回の施策は、消費者からの声を受けて改善に取り組んだもの。
苦境に陥っているマクドナルドが、表情筋を使う「スマイル0円」を復活させることが分かりました。
スマイル0円がメニューから廃止されたのは2012年。マックの説明として実際にはメニューから廃止されただけで実際には店員に頼むことは可能だったそうですが、事実上の廃止となっていました。
メニューにない以上は、頼む事は心理的に不可能ですし、新規の客は当然スマイルを頼むこともできません。
異物混入問題や質劣化もあった訳ですが、失ったマックブランドの信頼回復は可能なのでしょうか。
しかしそもそも、マックはなぜ、過去に筋肉の重要性の軽視、つまり表情筋を使う「スマイル0円」を廃止してしまったのでしょうか。ここは筋肉的にも厳しく、永遠に語られ続けるポイントだと思います。
■2012年、店内の回転率を上げるための廃止
本日からなぜメニュー表を撤廃?マクドナルドに理由を聞いてみた。(2012年10月29日)
またなぜメニューが無くなったのかと聞いてみたところ少し焦った様子で
なるべく並んでいる間にメニューを見ていただきスムーズに注文が出来るように
ということで、どうやら店内の回転率を上げるための施策のようだ。確かに並んでいる利用者は前のお客様がなかなか決めないという点に非常に苛立ちを覚えることもある。その改善がされるのであればむしろありがたいことだ。
賛否両論の意見があると思うが、マクドナルドにしては思い切った仕分けだと感じる。
当時、問い合わせた人がいましたがマクドナルドがスマイル0円の廃止理由を素直に語ろうとはしなかった様子が伺えます。なぜオブラートに包まなければいけなかったのか。それはお客さんの為の改善、廃止ではなく、より利益を増やすための自社都合による廃止だったからなのです。
■(前社長)原田改革による徹底的な合理主義
マック、世界的な客離れ深刻化で苦境 異物混入と質劣化を招いた原田改革の失敗
原田氏は業績を上げるために徹底的な合理主義を貫いた。「接客時間を1秒短縮すれば、8億円の増収効果がある」というポリシーに基づき、商品提供までの時間を短縮するため、12年にレジカウンターからメニューを撤去したが、「商品を選びにくくなった」と客から不満が出た。13年には60秒以内に商品を提供できなければ商品の無料券を渡すというキャンペーンを始めたが、接客が雑になったと批判され、いずれの施策も売り上げ増に結びつかず、現場の混乱を招くだけに終わった。
そして、明らかになった具体的理由。数字上の合理主義により、マックの品質や管理に問題が生まれていきます。マックを作る、食べるのはロボットではなく、感情を持った人々なのですが、彼らの気持ちを大切にする視点が完全に抜け落ちてしまった瞬間と言えるでしょう。
人が生きる上で、笑顔でコミュニケーションされる時間が無駄なわけがないのです。
また食べに来たいと思える場所でなければもはや存在価値は無く、不愛想にテキパキと流れ作業で対応され、60秒以内に商品を提供できなかったので無料券を渡すからまた来てね。なんて言われても、そもそも誰が60秒以内で出して欲しいと言いました?という反応しかありません。
■お客さんを大事にする(要望に応える)為には、毎日働く店員さんも大事に
近年、多くのメディアがブラック企業など労働問題に関しての改善テーマを取り上げていますが、お客さんの為ももちろん大事ですがまず働く人にとっての笑顔や充実感も極めて重要で大切にすべきだという事です。
お客さんを大事にする(要望に応える)為には、毎日働く店員さんも本当に大切にしなければいけません。時間短縮ばかり気にして笑顔なく忙しくて辛そうな店員しかいない店では、一人ならまだしも誰が友人や恋人、ファミリーと食べに行きたいと思えるのか。
「スマイル0円の復活」からの環境改善。
この表情筋の重要性に気付いたサラ・カサノバ社長は、マックシェイク、マックフルーリーだけではなく、プロテインシェイクを提供する事の重要性にもいずれ気づいてくれるのではないでしょうか。
(文・編集部)