このエントリーをはてなブックマークに追加 2018年7月31日 | EXTREME, タイムライン, 取材, 筋肉バカドットコム |

【日本屈指の最驚男】100m以上から飛ぶ危険を楽しみ成功させる。誰も経験していない場所を飛ぶ力、スキーベースジャンプ佐々木大輔さん

 

スキーベースジャンプ 佐々木大輔さん

1977年1月31日生 青森県十和田市出身

公式サイト:http://www.sasakidaisuke.com/

Twitter:@gake69u

戦歴/略歴
2003   アラスカフリーライドチャンピオンシップ 優勝(日本人初)
2007   カナディアンフリースキーチャレンジ 15位
2012   日本人として初めてスキーベースジャンプに成功
2013   富士山お鉢でのスキーベースジャンプに成功

他のスポーツには全く興味が湧かなかったが、唯一スキーだけは自分の楽しめるスポーツと感じる。スキーの可能性と歓びを、“ベースジャンプ ” と “スキー” を融合させた 「スキーベースジャンプ」で表現し 、世界「最驚」を目指す。目標とするプレイヤーはシェーン マッコンキー。

 

 現代では”危険だから”という理由によって、徐々に多くの場所から肉体(筋肉含む)を動かし楽しめるシーンが減ってきている。たとえば、学校からはジャングルジムがはずされたり、公園などにおいては球技も禁止されてしまうなどだ。そんな事をやっていたら、将来フリーウェイトのトレーニングなんて出来やしないというもの。

 

 しかしそんな世の流れに真っ向から逆行し「その日一番楽しんだ人が勝ち」と豪語、誰も挑んだ事がない斜面をスキー板で滑走し、最後はパラシュートなどを使いながら100m以上の崖から飛び降りてキレイに着地するぜ! という、そのノリと狂気さが入り乱れる技を見た瞬間に飲んでいた牛乳を噴出してしまいそうなエクストリームスポーツ、スキーベースジャンプを楽しみ続ける男がいる。スキーベースジャンププレイヤー、佐々木大輔さんだ。この危険度がズバ抜けているスポーツに挑んでいる日本屈指の猛者、佐々木さんに危険へ挑み楽しむ貴重な話を伺う事ができた。

 

■2003 IFSA WORLD TOUR CANADIAN FREESKIING CHAMPIONSHIP SICKBIRD AWARD

大会中最も過激なラインで滑走し、観衆をわかせた選手に贈られる「シックバード」賞を、ワールドツアー内日本人で初めて受賞。この年、アラスカのフリーライドチャンピオンシップにて優勝している。

 

--佐々木さんは普段どんな事をされているのですか?

 「普段は様々なレベルのスキーヤーさん達と一緒に、「みなさんも一緒にすべりましょう」というスタイルで、スキーのアドバイスやスキーをより楽しめるきっかけづくり、イベントをしています。たとえば、スキーのコースであまりにも危ないすべり方とか、それをやると怪我につながるよというポイントを教えたり、普段行かないようなコースを一緒に着いていって一緒にすべる。といったような事です。もちろん、完全なスキー初心者さんであれば、指導形式でレッスンする事もあるのですが、基本は長年スキーしている方達に今自身が持っているスキーの技術をこんな風にも使えますよ! という案内をしていきます。みなさんが想像していなかったような場所を、こんな風にすべれますとやり方を教えて、一緒に新しい場所をすべりましょうと背中を押してあげます」

 

--とても楽しそうですね。イベントはどのくらいのペースで行われているのでしょうか

 「以前は毎月1回ペースで行っていたのですが、今は大阪のスキーショップさんのイベント1回と、昔からお世話になっている“日本ではじめて障害者さんのための専門スキースクール”がありまして、そちらと一緒に不定期でイベントを行っています。車イスの方でも健常者の方でも、一緒にプッシュ(挑戦を後押ししたり応援したり)しあいましょう。自分のすべりを披露しあいましょう。とやっていきますので、たとえ車イスのスキーで転んでしまっても起こしてあげたり、今度は自分で起きてみよう! と応援しワイワイやります。車イスといっても、ご自身の身体、シットスキー、チェアスキーなどがありまして、すごく重くなるので健常者の方よりもガンガンスピードがでたりします。もちろん、スキーには競技とか大会などもありますが、僕らがやっているのはスキーを1人1人がどれだけ楽しめるか、その日一番楽しんだ人が勝ち! というものですね(笑)」

 

--しかし、どれだけ楽しめるかの追求で、佐々木さんはスキーベースジャンプをやっている。凄すぎます

 「僕の目指すスキーというか、理想はシェーン・マッコンキー(伝説となっているエクストリームスポーツプレイヤー)なんです。ベースジャンプ(地上にある建造物や断崖などの高いところからパラシュートを使って降下するスポーツ)だけをやる人もいますが、スキーベースジャンプをやっているのは日本では今のところ僕しかいないです。理由としては、日本にはほとんど飛べる場所がない。また、スキーですべる技術だったり、俺なら絶対この崖いける! という確信をもってないと成立しない厳しさもあります。スキーで崖の途中まですべってみたけど、ジャンプする場所がこわいのでやっぱり辞めました。とかだと崖の途中なので1人では帰ってこれないし、誰かの救助を待つしかなくなっちゃう。飛ぶまでも危険だし、飛んでからも危険、着地も危険というのがスキーベースジャンプです(笑)」

 

--佐々木さんが飛んだ日本の崖はどこになるのでしょうか?

 「国内だと三箇所です。富士山と長野県の白馬の崖、もうひとつは岩手県の崖ですね。あとはカナダとか海外です。日本だと、誰でもできる場所を探すのは難しいのかなと思っています。実際に僕もあそこを飛んでみたいなと地図で調べて現地に行ってみたら、岩がせりだしていてとても危ない場所だったということがあります。また、スキーで岩の中をすべらないといけないなとか、とびだすまでにできるだけスピードをつけないとジャンプや着地が危険すぎる、いかに崖から離れてパラシュートを開くことができるかが怪我や事故の大きな境目になる。など崖の状況は様々です」

 

飛べる場所を調査するのは、1箇所につき1日以上かかる

 「日本の場合は、山の地図である等高線図が25000分の1で細かく作られていて、紙で地形を見る分には飛べる高さの崖は探しやすいです。海外は地図では崖がわかりにくいのでそこは日本の方がやりやすい。しかし、なんせ日本は木が多いので、着地する先が森の中なんてことがほとんど(笑)。地図ではわからない部分は、グーグルアースなどもつかってみて、この辺りだったチャンスがあるかもしれないと思えたら、冬に車でいきます。だいたい1日以上かかりますね。車では通行止めになっている場所になるので、そこからは歩いていって崖を見ます。飛ぶ場所の高さは足りているという目星はついているですが、崖の岩がせりだしている。木が多すぎて飛べないとか。日本だとまず、そういうことになります。現地にいくまでに1日以上かけて、その崖を見て30秒で飛べないぞ! と判断して帰るなんてことはしょっちゅう。2015年からこの現地調査はしているので、もう50箇所くらいは現地までいってチェックしていますね」

 

スキーベースジャンプでの怪我経験は凄まじい

 「パラシュートを使ってから、崖にぶつからなければ怪我はないのですが、過去には11箇所骨折なんてこともありました。また、なだれで埋まったとき用のビーコン(小型棒)という非常用道具がありまして、それがジャンプして着地したときに膝が胸にはいったことでそのビーコンが胸に刺さって、胸骨、アバラが折れたことがあります。ビーコンの方が壊れてくれれば良かったのですが、自分の骨が壊れましたね(笑)」

 

--パラシュートを使っていないと着地の衝撃は尋常じゃないですよね

 「はい、崖の真下って実は平らのことが多いんですよね、その時の僕はビビちゃってジャンプまでの勢いがなく、ポタって真下に落ちる事になって鼻も膝で打ちました。顔もものすごく腫れて、かなり変形です(笑) また、自分でジャンプするトリック(技)の1つとして「グラブ」というものがありまして、これはスノーボードなどでよくみる板を空中で掴んでみせるのですが、その「グラブ」でスキー板を空中でつかんで飛んだ所まではよかったのですが、板を掴んだまま地上に着地してしまい、自分の指の骨が折れました(笑) 板を掴んだ手を早く離せよ! って思うんですが、調子にのってしまったのでしょう(笑)」

 

(柱をつかって、山や崖の様子を説明してくれる佐々木さん)

 

奥様はカメラマンや登山アドバイザーとして、プロジェクトに協力

 「自分のすべっているシーンとかが協力メーカーさんのカタログ用になったり必要なので、嫁さんにはカメラマンとしても協力してもらっています。通常のフリーカメラマンさんやスキー雑誌としてカメラマンさんに同行してもらっちゃうと、現地でジャンプできなかった場合の損失がお互いに大きすぎるので助かっています。奥さんだと万が一の事があったときの緊急連絡も安心ですし、本人も「せっかく挑戦するのだから記録したい」と言ってくれていて、とてもありがたいです」

 

 「嫁さんは「何かあったときに、何も知らなかったじゃ困る」と言っています。僕は救助とか身内がやってくるのは助かるし、嫁さんは嫁さんで自分が知らない所で、僕が事故したり、死亡したとなると困る。それなら一緒にいた方が後悔しないだろうという考えです。僕がやっているものは、インドアのスポーツとかとは全く話が違うので……。嫁さんはもともと山が好きで、山の入り方を教えて貰うことも多いです。昔の僕は山を登るということを、スキー1本だけを担いで登るもんだと思っていたので、それは違うと。ロープやハーネス、地図をもつなど、山はそういう準備も必要な時があるものだと嫁さんに教えてもらいました」

 

 「お互いに関心のあることで、このスキーベースジャンプを補っている形です。嫁さんの方が山は断然好きですね。僕はスキーの技術やジャンプなどを考えます。ただ、身内なだけに甘えてしまっている部分がありますね。負担をかけることもあるなと。僕はつい感覚的なもので物事を進めようとする事があるのですが、嫁さんは理詰めというか、順序良く、最短でこのスキーベースジャンプを成功させる。と、目的がシッカリ最短で達成できるようにと考えているのでそれをすり合わせていきます。過去に1度だけ嫁さんが酔っ払ったとき、僕の準備不足による命の危険性について凄く文句言われたことがありました(笑) でも、僕と嫁さんが出会ったあったときには、すでに僕はスキーベースジャンプをやっていたので、今更それを危険だからと制限するようなことは言わないです。撮影含め、協力してもらっています」

 

誰も飛んだことが無い場所だから、アドバイスは当然ゼロ。最後は1人で挑む

 「自分が飛ぼうとするところは、誰も分からないんですよね。そういう場所をあえて狙っているというわけでないのですが、誰も経験していない場所を飛ぶ事になります。スイスやアメリカなどの崖とかだと有名で、沢山の人が見ているのでコースや雪の情報があったりもしますけど。なので、出来る事。スキーの中で基礎練習を僕はとても大事に繰り返します。いつでも止まれる、ちゃんとすべれる。当たり前の基本動作の精度を高めて出来る事をやって準備をしています」

 

 「崖から飛んだこっち側には小川がある。逆ならば森の中。風がふいてパラシュートが流れ、もしその川側へ自分が落ちてしまったらどうするのか。など、起きうるケースを全て考えます。あるケースで、うーんと答えがすぐ出ず悩んでいる状態なら飛ばない。今は100m以上になる場所から飛びますし、もし何かがあったら命は助からない。本当にすべれるのか、その為の練習やシミュレーションはちゃんとしたのか。そういう所から何度も考えて、風もない、天気もいい。着地する場所も沢山ある。でも雪の状態が駄目。という時は飛ばないです。全ての条件が揃った時に飛びます!」

 

 一見、危険なことでも、ちゃんと考え怪我をしないように、上手くいくようにと準備していく事で事故の確率を最小限にでき成功させられる。もちろん、佐々木さんのスキーでジャンプする度胸については異次元レベルではあるものの、危険だからと挑戦せず考えないのではなく、このケースになったらどうすればいいのか。それを考え、対応を明確にしていく地道な力があれば佐々木さんのように技術とエンターテイメント性を兼ね備えたプレイヤー。最驚の男になれるのかもしれない。

 

(取材・文:遠藤大次郎 写真・筋肉バカドットコム)

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