肉体の可動性と安定性でパフォーマンス向上「ファンクショナルトレーニング」がボディメイクでも大切な理由

  06 5 - 肉体の可動性と安定性でパフォーマンス向上「ファンクショナルトレーニング」がボディメイクでも大切な理由

(日時:2月25日15時~ 場所:東京都新宿区高田馬場2丁目14−17)

 

 ジムで高重量を扱い、筋力や筋量をアップにハマっていく過程はとても楽しいもの。しかし、己のボディが著しく発達しイケているのにも関わらず、何気ない動作が難しくなっていたり、動作のスピードが落ちてしまい、競技プレー中などに身体の部位を痛めてしまったという経験はないだろうか。これは筋肉やウェイトトレが悪いのではなく、筋肉の持っている、ある能力部分の強化、チェックをないがしろにしていたからかもしれない。それは”機能的に身体を動かす能力”である。気づかなくてごめん。「ソーリー、マイ筋肉」と反省する瞬間である。

 

 しかし、ノープロブレム。その能力を補う事ができるトレーニングとして、ファンクショナルトレーニング(機能的に身体を動かすためのトレーニング)というものがある。そのトレーニングを学ぶ事ができる、SAWAKI GYM ACADEMY 1DAYライセンスシリーズ「ファンクショナルトレーニング ベーシックコース」が都内で行われている情報を筋肉バカはキャッチ。ライセンス取得にむけ、熱心に学んでいる指導者さん達の様子を特別に取材させていただくことができたのでお伝えしたい。

 

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(SAWAKI GYM代表 澤木一貴さん)

メディカルフィットネス現場におけるリハビリ後の患者様からトップアスリートまで、幅広くトレーニング指導をする。現在はパーソナルトレーナーとして活動する傍ら、トレーナー養成や、セミナー/メディアを通じて健康情報を発信し続けている。

 

 「ただいま行っているのは、ダイナミックストレッチという、ムーブメントプレパレーション。準備体操全体の中でももっとも重要な、”正しい姿勢”と”正しい動作”を作るベースとなるエクササイズを行っています。このエクササイズで大事なのは、モビリティとスタビリティです。モビリティとは関節の可動性、スタビリティとは関節の安定性です。これらのエクササイズを行う事によって、動くべき関節は動くようになって、安定すべき関節は安定するようになるので、ストレッチのあと、何かスポーツを行ったときにケガをしにくくなることや、パフォーマンスの向上が期待できます」(澤木さん)

 

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(ファンクショナルトレーニングの理論説明を熱心に学ぶ皆さん)

 

――筋トレ(ウェイトトレ)だけ、というのは何か問題が出てくるのでしょうか

 「何も考えないで単純な筋トレをしていた方がシンプルにデカくなるので面白さを感じやすいですが、ボディメイクを行っている方にとってもファンクショナルトレーニングは大切です。こういう動作をちゃんとできるようになってから筋トレをやってもらったほうが、機能性が損なわれないのでオススメなのです。以前、アディダスでトレーニング指導をしていたことがあるのですが、そのときにゴールドジムからも何人かファンクショナルトレーニングを受けに来ていました。ちょっと若くて頭のいい子は、実はこういうものを知っていたほうが良いっていうことに気付いているんです。やってない人がダメというわけではないですが、これをやっておくと、ケガの予防とトレーニングの応用ができます。うちのジムで行うボディメイクでも、まずこういうストレッチをしてからセッションをやっています」(澤木さん)

 

 

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(速く前には進まず、腕をつけながらリズム感と同調させていく動作)

 

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(フォームをチェックし、動作ポイントを教える澤木さん)

 

■ファンクショナルトレーニングは軽い?と思われちゃうのが凄く嫌

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(”良い感覚を得る事ができる”というバランスボールに乗った状態で行うダンベルトレ)

 「ダンベルは重いものがあったら、重いものでやっていくんですよね。なので、ファンクショナルトレーニングは軽いトレーンングかな? と思われちゃうのが凄く嫌なんです。ダンベルを30kgでやる人もいます」(澤木さん)

 

■筋力のある人は重いウェイトで取り組む方が良い

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 「これらのトレーニングも、重いダンベルでもやれないことはないです。筋力が無い方は軽いウェイトでやればよく、筋力のある方は重いウェイトでいいんです。ただし、正確に動作できるかだけが大事。この風景だけだと柔らかい感じですけど、うちはストロングスタイル(重量を徐々に上げ、強くなれるスタイル)です(笑)」(澤木さん)

 

■指導をイメージしてペアで練習

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(動作と理論を学んだ後は、ペアを作って指導の練習。お互い指導者の役割を行い、相手に伝えていく)

 

――ファンクショナルトレーニングは、軽い動作で行うというイメージを持っている方は多そうですよね

 「やはり、そういうイメージになってしまうのは、姿勢と左右差の矯正をすることを考えると、(現場の指導ステップとして)重量は軽くならざるを得ないからなんですよね。だからそれを、漸進性の原則にしたがってやっていけば、当然重いものを扱う方が現れてもおかしくないと思います。チャンピオンクラスの総合格闘家さんなんかだと、片手30kgのダンベルでファンクショナルトレーニグをやっても、できちゃうと思うんですよね。大は小を兼ねるということです」(澤木さん)

 

 ファンクショナルトレーニングのやり方と効果が分かれば、鍛えていく過程で有効的に活かす事ができるはず。ケガをしにくく機能性も損なわないことは誰もが理想としているはずであり、それを目的とするファンクショナルトレーニングの存在。筋力と機能性を併せ持つハイブリッドな最強の肉体を手に入れていく為には、大切なトレーニングであることは間違いないだろう。

 

(取材・文:遠藤大次郎 写真・筋肉バカドットコム 取材協力:SAWAKI GYM

 

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