【特別コラム・山田崇太郎さん】筋肉からの遺憾の意。 使える筋肉使えない筋肉って?
みなさまご無沙汰しております。先日銭湯にて筋トレだとインナーマッスルが鍛えられないからねー、見せかけの筋肉じゃなくてインナーマッスルを鍛えなきゃダメだよ!
と別に山田の事も動きも何も知らないおじいちゃんにドヤ顔で語られました山田です。
おい、銭湯のおじいちゃん!私の背中を見てインナーと言われる棘下筋とか肥大してるのがわからないのかい?
※山田は格闘技で使える筋肉を鍛錬しています。
そもそもインナーマッスルって意味分かってるのか小一時間問い詰めたい気もしたけど湯冷めするのでやめました。
そんなわけで使える筋肉使えない筋肉が議題。
【使える筋肉使えない筋肉】
この議題はたびたび上がります。
よくボディビルが引き合いに出されて使えない筋肉と揶揄されたりしますね。
筋肉すらないガリガリのお兄さんに……(小声)
■使える筋肉はスポーツ万能??
そもそも使える筋肉ってなんでしょう?
スポーツ万能?バネのあるカラダ?しなやかな筋肉?インナーマッスルと体幹?
山田の周囲の一般の人に聞いた所をまとめるとスポーツ万能で運動神経良くて運動連鎖や敏捷性に優れた人だそうです。
うん、ニュアンスは伝わる。
バランス良く全般に優れてるってのだと10種競技の選手かな。
パワーもスタミナも色々な要素をハイレベルで兼ね備えてるまさにキングオブアスリート。
スポーツ万能ってのも特異性を考えると一つの競技のトップどころになればなるほど専門的に特化していくもの。
基本身体能力も技術的な面でもその分野に適応していくので、ただ走るという事を考えても短距離と長距離は両立出来ないです。速筋優位とかの適正もあるし練習体系からしても無理。(ただ長距離のトップどころの走るペースって相当速いです。1㎞あたり2分54秒。常人には1㎞だけでもこのペースで走ることは難しいでしょう。これを42.195㎞走り抜いちゃう訳です。)
脚が速くても寝技が強い訳ではないし、水泳のメダリストが陸上強いかといったらそうではないですよね。球技が出来ない格闘家も多い訳だし。(球技が不得手、って括りも広すぎるかな。私野球やサッカーは出来ないけどバスケやラグビーは草レベルならやれます。)
■実技練習を疎かにしてはいけない
よくスポーツ選手とかがウェイトトレーニングに取り組むとカラダの変化やベンチプレスとかの重量の伸びの虜になって実技練習を疎かにして結果パフォーマンスが低下する、ってのはしばしばあります。
で筋トレでつけた筋肉は使えないと。(銭湯にいたおじいちゃんのドヤ顔を思い出しながら……)
そんなわけで筋肉イコール悪みたいな風潮がおじいちゃん世代にはあったりするわけです。
柔よく剛を制す、といった日本人好みのイメージですね。判官贔屓なのか小兵とかが善戦すると盛り上がるもんなあ。
まあデカいやつが小さいやつをやっつけても普通だもんな。
■筋肉は悪くない、使い方でパフォーマンスは上がる
悪いのは筋肉の使い方であって、筋肉は悪くない。
ビッグ3でカラダのベース作ってアジリティやクイックリフトやって連動性や筋肉の動かし方を覚えて実技練習取り組めば間違いなくパフォーマンスは上がります。
そんなトレーニングと使える筋肉を繋ぐツールとしてオススメなのがケトルベルトレーニング。(「イサミケトルベル」で検索すると出てきます)
インナーマッスルがー、とか体幹が、みたいなのに物申したいことは沢山あるんですけど長くなるのでやめておきます。
逆に動きを鍛えるファンクショナルトレーニングってのは着眼点とかはいいと思うのですがストレングスの要素を軽んじてる。動きの為に筋肉は不可欠です。
■筋肉はエンジン、そして使いこなす技術も必要
筋肥大や筋力強化、かたや動きだけに走るのも極端過ぎます。筋肉はエンジン、そしてそれを使いこなす技術のどちらも必要。
筋肉のパフォーマンスを引き出して使えるようにするのも自分次第。そして競技次第。
日本人の傾向として目的のある筋肉、スポーツだったり仕事だったりで用途があるのはOKでただマッチョになるのは好まれない傾向にあるようです。
服を着こなす為にもカラダって大事だと思いますけどね!(大事)
■ボディビルダーにとっての使える筋肉はサイズやカットのある筋肉
最後に、ボディビルダーの筋肉はコンテストのステージで映える必要があるわけで、そこ(ステージ)ではサイズやカットの無い筋肉は幾ら動けても使えない筋肉なのです。
ボディビルダーの減量やトレーニングは凄いです。そのまま他競技のアスリートが取り入れるのはNGだけど。
結論、使えない筋肉はない。
筋肉のパフォーマンスを引き出す筋肉の使い方、身につけましょう。
(文・山田崇太郎)
山海堂
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