アルティメット・ウォリアー急死に見る『WWEスーパースターたちの危うさ』

200px The Ultimate Warrior April 2014 - アルティメット・ウォリアー急死に見る『WWEスーパースターたちの危うさ』

出典:http://upload.wikimedia.org

本名 ウォリアー

ニックネーム 超合金戦士

身長 192cm 体重 125kg

誕生日 1959年6月16日

死亡日 2014年4月8日(満54歳没)

デビュー 1985年、引退 2008年

 世界最高のプロレス団体ことWWEの一年に一度の祭典、レッスルマニア。まさにアメリカン・プロレスリングの象徴とも言えるこの大会だが、30回目を迎えた今年の4月6日に行われた大会で、ファン達に激震が走った。今までこの大会での無敗記録を21まで伸ばしていたトップレスラー、ジ・アンダーテイカーがブロック・レスナーの前に敗北を喫し、連勝がストップしたのである。試合後、観客たちが呆然とする様子がカメラの前に映し出された。プロレスが筋書き通りに進むスポーツ・エンターテイメントとはいえ、20年間以上に渡って連勝してきた彼がこのタイミングで負けたというのは何を表しているのか。筋金入りのプロレスマニアであるR氏に話を聞いた。

 

「無論マンネリの打破という点もあるでしょうが、アンダーテイカー自身のコンディションもかなり問題なんですよ。彼ももう49歳で、世界中を回って興行するWWEのハードなスケジュールをこなせるほどの体力はない。去年あたりからかなり試合数は減ってますし、このまま引退するのではないかとも言われています」

 

 R氏によると、WWEの過密すぎるスケジュールに音を上げて自ら契約を打ち切るスーパースターも数多いらしい。プロレス史上最高のヒールと呼ばれるアンダーテイカーも、既に寄る年波に勝てないという事なのか。

 

「昔は、その過密スケジュールに対応するために、スーパースターたちの間で、けがの回復が早くなり、筋肉が育ちやすくなるステロイドなどのドーピングがかなり蔓延していたようですね。現在はWWEもその事に過敏になり、しっかりと検査をしているという事なので、かなりそういった事例は減ったようですが」(前出・R氏)

 

 だが、プロレスファンたちはそのレッスルマニアの2日後に、さらなる衝撃的なニュースを耳にする事になる。アルティメット・ウォリアーの死だ。かつてWWEの前身であるWWFの看板レスラーであった彼は、レッスルマニアの前に行われる殿堂入りの式典『ホール・オブ・フェイム』に出席し、自らのWWE殿堂入りについてスピーチ。長きにわたりWWEと反目状態にあった彼が再びプロレスのメインシーンに帰ってきたことを歓迎するファンは多かった。次の日にWWEのRAWブランドの大会にも顔を出し、今後の動向が注目されていたが、なんとその翌日に急死してしまったのだ。

 

「でも、こういった現役、もしくは元WWEスーパースターの急死というのは以前から相次いでいるので『またかよ』って感じも少しありますね。2005年にはエディ・ゲレロが動脈硬化性疾患で急死し、2007年にはクリス・ベノワが妻子を殺した後に自殺。2009年にもテストやウマガが相次いで死亡し、今年に入ってでは2月にビッグ・ダディが心臓発作で亡くなっています。これらは皆、ステロイドや痛め止めなどの薬を使っていた事が原因ではないかと言われているんです。アルティメット・ウォリアーも、現役バリバリの頃はステロイドを使いまくり、鋼のようなボディを手に入れていたと言われていましたから、死亡したのもその影響ではないかと考えてしまうのは自然な事でしょう。先に述べたように今ではWWEもアンチ・ドーピングが徹底されつつありますが、それでもその検査の目をすりぬけて使用するスターたちは多いとも聞きます。これからも彼らの急死は相次ぐんじゃないかと考えるファンは多いですよ」(R氏)

 

 過密なスケジュールの中、鍛え上げた肉体を保持し、試合を繰り返す…。WWEスーパースターたちに求められているタスクは、あまりにも厳しい。まさに命を削りながらファン達に夢を与えている彼らに、これ以上不幸な事が起こらないことを祈るばかりだ。

 

■追悼 アルティメット・ウォリアー

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