【百本コラム】十本目:『股関節の機能不全と代償動作』 股関節にまつわる代表的な問題は坐骨神経痛
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中村 知広さんのプロフィール:(神奈川県横浜市出身) YouTube : youking1027
スラムダンク直撃世代なので中学高校の6年間バスケ部に在籍。
日本体育協会アスレティックトレーナー養成の専門学校にて勉強を積む。
個人でパーソナルトレーナーとして活動しつつスポーツクラブに勤務。
現在はトレーナビリティ向上コミュニティ〝STEEZ&CO〟を主催し、反射運動の修正を主眼に置いたトレーニングメソッド〝Re.M.I.D〟を指導している。
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筋肉バカドットコムを御覧の皆様!こんにちは!中村(なかむら)知広(ともひろ)です。
おー!なんと今回でコラム十本目を迎えました!
「百本で綺麗にまとめられればイイなぁ」と思ってはいますが、書き続けようと思ったら千本でも一万本でも書けるような気がしております。
長く続ければいいってものじゃないので質に拘りますが、やはり『継続は力なり』です。
高い質をキープしつつ継続し、読者の皆さんと共に向上していきたいと思います。
どうぞ宜しくお願いします。
【Berryz工房のファンになりました】
話は変わりますが、Berryz工房が2015年3月3日をもって無期限活動停止になってしまいますね!
Berryz工房とは、つんく♂(シャ乱Q)がプロデュースを手掛けるハロー!プロジェクトに所属する女性アイドルグループ。
メンバーは清水 佐紀、嗣永 桃子、徳永 千奈美、須藤 茉麻、夏焼 雅、熊井 友理奈、菅谷 梨沙子の7人。
2004年3月3日にCDデビューし、現在までに36枚のシングルCDを出している。
バラエティTV番組では、ももち(嗣永 桃子)が有名です。
(出典:http://www.helloproject.com/berryzkobo/profile/)
…と説明したものの、僕がBerryz工房を知ったのは数週間前。CDやグッズなど一個も持っていないです。
でも、この数週間でBerryz工房のファンになりました。
つまり、にわかの中のにわか『超ハイパーにわかファン』です。
アイドルのファンになるなんて僕の人生初の出来事。
なぜ急にBerryz工房ファンになったかと言うと、某ユーなんとかチューブの、ももちバラエティ動画を見て回った事がキッカケでした。
最初は「面白いなー」「ハート強いなー」「ダウンタウンを前にしても堂々アタックするなー」と、ももちキャラを面白がって見ていただけでした。
しかし関連動画を一巡すると不思議なもので、情が移るんですね。
そうなると、コンサートやイベントとかの動画も見るようになる。
そうなると、ももちとBerryz工房メンバーとの関係性も面白くなってくる。
そうなると、Berryz工房メンバーそれぞれのキャラクターにも情が移る。
そうなると、Berryz工房の曲が好きになる。
で、超ハイパーにわかファンの出来上がり!というわけです。
33歳にもなってアイドルのファンになるとは我ながら驚く話ですが、無期限活動停止の発表以降は特に上記のパターンでBerryz工房ファンになる人が増えているのではないかと思います。
【Berryz工房は新メンバー加入なしで10年以上も活動】
しかしアイドル界に精通していない僕が言うのもなんですが、これがBerryz工房以外のグループだったとしたらファンになっていなかったと思います。
Berryz工房は新メンバー加入なしで10年以上も活動している稀有な女性アイドルグループだからです。
普通の事だって10年も続けられれば凄い事なのに、女性アイドルグループを10年も続けるって想像を絶する凄さだと思います。
10年以上もアイドルを続け、歌やダンスや演技のレッスン、もちろんプライベートは制限され、それでもアイドル道を歩んできたわけです。
更に言うと、資質の面でも奇跡ですね。
オーディション当時は全員が小学生だったわけで、どんな風に成長するかは『神のみぞ知る』状態。
無事、スキャンダルもなく、全員が心身共に美人に育ち、チームワークも完璧。
また更に言うと、個性のバランスも完璧。
アイドル特有のステレオタイプなキャラクターは一人もおらず、一人一人の個性が面白く且つミックスアップし合える関係性の凄さです。
【『継続は力なり』という姿】
このようなバックグラウンドを踏まえて見ると、Berryz工房メンバー7人が集合した時の「揃ったー!」感が良いんですよ。
「揃ったー!」感を何と表現したらいいのか…難しいですね。
パズルのピースが全て揃った時の爽快感というか…歴代ヒーロー全員集合のワクワク感というか…
ファンになるという事はシンクロ(同期)するという事。
僕がBerryz工房の何にシンパシーを感じたかと言うと、やっぱり『継続は力なり』なんだと思います。
僕は今、仕事面において『継続できるか否か』の岐路に立っていて、『継続できる』確信を持っている。
しかし気掛かりは『継続した後にどのような結果が表れるか』という事。
良い結果を出すためには真摯に取り組むしかなく、あとは『神のみぞ知る』なわけです。
そんな状況の僕だからこそBerryz工房にシンパシーを感じたんだと思います。
【本題】
今回のテーマは『股関節の機能不全と代償動作』です。
まずは「なぜ皆さんに股関節の機能不全と代償動作について述べるのか?」という所から始めましょう。
このコラムを読んで頂いている皆さんはトレーニングや運動に対して、少なからず好奇心や向学心を持っていらっしゃるのではないでしょうか?
だから、「ある程度までは専門的知識が混じっているテーマだとしても読んで頂けるであろう」という事が一点目。
もう一点は、「本質を伝える」という僕の使命があるからです。
【テーマ:股関節の機能不全と代償動作】
今回のテーマはタイトルからしてネガティブであると言えます。
機能不全なんかとは無縁の方には興味の湧かない内容かもしれません。
しかし、これが本質に繋がる重要な要素なのです。
“出来る事を磨く事”よりも“出来ない事を減らす事”の方が遥かに重要。
一般的には得てして“出来る事を磨く事”ばかりがクローズアップされがちです。
結果、体力要素のバランスが崩れて問題が発生する。
【“出来る事を磨く事”ばかりをせずに本質を】
最悪の場合、更に問題の原因を置き去りにして“出来る事を磨く事”ばかりを続け、取り返しのつかないような問題が発生する。
現状、このような負のループが散見されます。(フィットネス業界に限らずね)
合理主義的な僕としては、こんな無益な負のループは断ち切りたい。
だから、本質を伝えていく必要があると考えているわけです。
…と言うわけで、「負のループを断ち切るぞ!」という気持ちを持って読んで頂けると幸いです。
では本題に突入します。
【股関節にまつわる代表的な問題は何だろう?】
前回コラム『股関節の構造と機能』で述べた内容を前提に話が進められる部分もあるため、「?」となったら読み返してみて下さいね。
前回も述べましたが、股関節とは『大腿骨と骨盤が連結している関節』の事で、代償動作とは『本来の機能を別の機能でカバーして作られる動作』の事です。
代償動作は一概に悪いものとは言えませんが、ここでは機能不全を引き起こす元凶として述べていきます。
「股関節にまつわる代表的な問題は何だろう?」と考えた時、僕が思い当たったのは『坐骨神経痛』でした。
坐骨神経痛とは、坐骨神経が刺激される事に起因する神経痛で、下肢に表れる痺れや痛みの事。
坐骨神経痛は、誰もが一度は聞いた事のある言葉だと思います。
読者の中にも、なった事がある方がいるかもしれません。
そのくらい一般的って事です。
運動習慣が無い人であろうとトップアスリートであろうと関係なく、なってしまう人はなってしまう。
何故そんなに沢山の人が患うのかと言うと、坐骨神経痛の原因は一つではなく多種多様だからです。
ちなみに坐骨神経痛は病名ではなく、あくまでも症状名。
つまり、その原因は十人十色。
…とは言っても、いくつかのパターンに大別は出来るので簡単に紹介していきますね。
【坐骨神経痛には4つの大きなパターンがある】
パターン① 梨状筋症候群
梨状筋による神経圧迫が原因で起こるパターン
パターン② 脊柱管狭窄症
脊柱管の狭まりによる神経圧迫が原因で起こるパターン
パターン③ 椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアによる神経圧迫が原因で起こるパターン
パターン④ 脊椎分離症(脊椎すべり症)
脊椎に亀裂が入りズレる事による神経圧迫が原因で起こるパターン
この中で最も多いパターンは椎間板ヘルニアなのだそうです。
しかし今回のコラムでは梨状筋症候群をメインに述べていきます。
何故なら、今回のテーマである『股関節の機能不全』が梨状筋症候群の近因となるからです。
他のパターンにおける『股関節の機能不全』は、あくまでも遠因なので別の機会に述べたいと思います。
梨状筋症候群とは、上記にもある通り、梨状筋が坐骨神経を圧迫する事によって痺れや痛みが起こる症候群です。
この梨状筋、一般的には馴染みがない筋肉名だと思われますのでガッチリ解説しましょう。
【梨状筋症候群とは】
↓後ろから見た股関節の周辺図です。
(出典 『身体運動の機能解剖』 監修:栗山節郎 翻訳:中村千秋/土屋真希)
図で見てもイマイチ分かり難いですよね。
梨状筋は深層外旋六筋の一角を担う、小さな筋肉です。
この梨状筋と坐骨神経が股関節付近で隣接しているわけです。
【梨状筋の役割】
梨状筋の役割は、①股関節の外旋と②股関節の安定性保持です。
①の股関節の外旋とは、大腿骨の長軸を軸として膝を外に向ける動きの事。
②の股関節の安定性保持とは、大腿骨頭を寛骨臼に引き付けておく事によって股関節の軸運動を保持している事。
①も②もダイナミックな動作ではありませんが、もし梨状筋が無くなってしまったとしたら、股関節の軸が固定できずに全ての動作がグラグラになってしまうでしょう。
逆に言うと『動作がグラグラな人は梨状筋に負担をかけている』わけです。
つまり、梨状筋症候群による坐骨神経痛の根本的な原因は『グラグラな動作=代償動作』なのです。
《代償動作によって梨状筋に負担が集中してしまう》⇄《梨状筋が拘縮してしまう》⇄《拘縮した梨状筋が坐骨神経を圧迫してしまう》⇄《坐骨神経痛が発生する》
この負のループにはまってしまうと厄介で、坐骨神経痛が更なる代償動作を誘発してループが増悪してしまいます。
言うまでもなく、負のループを断ち切るためには代償動作を修正する事が第一。
代償動作を修正できれば梨状筋への負担が軽減するので梨状筋の拘縮が解け、坐骨神経への圧迫が無くなって坐骨神経痛が改善します。
今回はここまで!
次回は、このような機能不全を誘発する代償動作を具体的に解説していきます。
また、具体的な修正方法についても解説していきます。
より体系的に理解を進めるために、コラム一回目から読んで頂く事をオススメします。
代償動作は一箇所だけで起こっているものではなく、全身を巡る力の流れだからです。
これらを踏まえた上で、次回は『股関節まわりの代償動作と具体的修正方法』について解説します。
乞うご期待!です!
(文:中村 知広)
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