筋肉アプリ物語 第2話 ~合コンの誘い ~

前回のあらすじ

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鉄板焼き屋バイトにて暗黙のクビ宣告を受け、

自らの言葉で、意志で辞めることを選んだ藤沢歩渡。

24歳で無職となる。

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筋肉アプリ 第2話 ~ 合コンの誘い ~

 

 

 

 

 

アパートへ帰宅

 

ガチャ・・・(鍵を開ける)

 

 

 

藤沢「何が・・ニーズだよ・・・

いったいそれは誰のニーズなんだよ・・・。」

※ニーズとは、必要。または 要求。を意味する。

 例:「消費者のニーズにこたえる」

机に向かって放り投げたキーケースは、

積み上げていた漫画本に当たり、床に落ちた。

 

 

 

 

キーケースは拾わない

 

 

放置する

 

 

 

 

 

 

今は、何も考えたくないから

 

 

テレビをつけ、リモコンを置いた

 

 

ニュース番組は、明るい話しはいつもながらあまりやっていない

 

 

だから

お笑い番組に切り替え、

楽しそうに喋っている芸能人たちを見る事にした

 

 

 

 

なんだか

 

 

 

 

癒される気がする・・・

「ははは、エガちゃん面白いなぁ~」

数時間後、

いつのまに日付が変わっている事に気づく

藤沢「あ、もう1時なのか・・・。もう寝ないと・・」

僕はバイトを辞めたことを思い出した

 

 

 

 

別に寝なくてもいいんだった

10時間前に自分に起こっていた現実が浮かび上がる

 

 

 

 

・店長からの侮辱

「(キミ)能力低すぎ」

グッ・・・・。

 

 

 

 

もう、あんな事はいやだ。

 

 

褒めてくれとは言わない。

 

 

ただ、もっと大事な事を優先すべきなんだ。

僕の能力が、どうとかじゃないんだ

悔しい・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕はきっと、

 

 

 

 

”仕事がどんな内容なのか” 

”多少多く稼げるか、稼げないか”

 

 

 

 

という事よりも

 

 

 

 

”誰とその仕事をしているか”

”誰と目標に向かっているのか”

 

 

 

 

ということが大事なのかもしれない。

 

 

 

”誰と一緒なのか”

 

 

これが僕にとっては大事なんじゃないだろうか

贅沢を言わなければ、餓死するとは思えない

 

 

仕事を通じて、生きる喜びを日々感じたい

 

 

でも僕はずっと、その喜びを感じれていなかった。

 

 

時間も無駄だと強く感じ、いままで辞めてきた。

そうだ、

 

 

きっとそういうことなんだと思う。

 

 

 

 

 

 

仕事は共にしていても

 

 

 

 

仲間だとは、思えてこなかったんだ

尊敬できる相手とも思えていなかった

 

 

 

(リリリリン~~~♪)

(リリリリン~~~♪)

携帯(スマフォ)が鳴る

藤沢「こんな時間に誰だろう」

携帯画面を見ると旧友の名前

 

古田

 

ピッ(電話に出る)

 

藤沢「おっす!」

 

 

古田「ちーっす!^^ ごめん起きてた?」

藤沢「大丈夫、テレビ見てたよ」

 

 

 

 

 

 

相変わらず元気そうだなぁ、古田は。

 

 

 

古田誠(ふるたまこと)24歳

 

性別:男

藤沢と同じ高校に通う同級生だったが、

卒業後もたまに会って酒を飲む仲である。

古田はなぜこの平凡な高校に?と思うような奴だった、

部活と勉強の両方で褒められた、いわゆる優等生だった。

割と女好きで、今は広告系の仕事をしている。

 

古田「遅くにごめんな、とにかく朗報、朗報!今さっき女の子と電話してて

   再来週の土曜日合コンやろうかなって♪どう?」

 

ご・・・合コンですか!!

 

 

合コンとは、

男女数人が居酒屋などで食事を共にし、

雑談を楽しむイベント。

お酒も入ることで、1日にして互いに仲良くなれる可能性が高い。

 

 

 

つまり、友達や恋人に発展する可能性を秘めており、

効率化を重視する現代社会において、

非常に価値の高い日本独自の出会い文化である。

セッティングを代行する会社もあるほど、ニーズが高い。

 

 

しかし・・・

藤沢「行きたいけど、ちょっと厳しいかも、再来週。」

 

古田「お?どうしたの?」

 

藤沢「う~ん。再来週っていうか。お前も知ってる通り、オレまだ、先の見えないフリーターじゃん?

   だから・・・女の子が喜ばないと思うんだよね。自分自身も心から楽しめる気がしないっていうかさ・・」

 

 

 

 

 

 

次の仕事見つけないと。正直、今は不安なんだ。

 

古田「おいおい。藤沢さ、 いつもちょっと考えが固いんだよなぁ。もっと楽に考えろって」

 

僕は職業プロゴルファーですって言えばいいんだよそんなの。ノリでいけって

おいおい、そういう問題じゃないから・・・

 

 

 

 

藤沢「う~ん。スケジュール調整もあるから、また後日連絡する感じでもいい?」

 

古田「OK!よろしく!」

ピッ(電話を切る)

合コンとかしてる場合じゃないはずだけど・・・。

 

 

でももし純粋な優しそうな子がいたら・・・。

 

 

もし彼女ができたら・・・。

 

 

 

 

 

 

やっぱり。

 

 

合コン行こう。

(古田にメールを打つ)

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スケジュール確認したけどさ 

再来週の土曜日。

 

 

めっちゃ空いてました(*´Д`*)

 

 

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つづく

 

 

 

 

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