【筋肉増強】「夕食後に筋トレ」+「寝る前のプロテイン」で睡眠中のタンパク質合成速度が約3割UPの研究結果

001 69 - 【筋肉増強】「夕食後に筋トレ」+「寝る前のプロテイン」で睡眠中のタンパク質合成速度が約3割UPの研究結果

 

 トレーニーにとって快眠とは何か。筋肉が効率良く育っているという実感・安心感を得ている状態なのかもしれない。筋肉を作る機能である筋肉内の蛋白質合成速度は、高齢者と若者で大きな違いがないのであれば、この研究結果は年齢を超えた全てのトレーニーにとって見逃せない筋肉増強コンボだ。

 

「夕食後の筋トレ」+寝る前のプロテイン飲料」で寝てる間に筋肉増強

 夕食後に筋トレを行い、さらに寝る前に蛋白質を含む飲料を飲むと、寝ている間に筋肉内で合成される蛋白質の量が増え、筋肉の維持に有効であることが分かった。これは筋肉量の減少を防ぐ対策について研究してきたオランダの研究チームが研究成果を報告したもの。論文は、米国の栄養学論文誌「The Journal of Nutrition」2016年7月8日号に掲載された。

(引用:http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/column/16/healthbody/090700001/?P=1)

 

 

 歳を取ると食事内容やタイミングが適当になり、運動量も少なく弱くなる。すると筋肉が落ち、筋肉量と共に筋力が低下する。筋肉をおろそかにすれば当然つまづきやすくなって骨折の原因になったりする訳なのだが、この高齢者特有の問題を防ぐ為、オランダのアンドリュー・ホルウェルダ氏の研究チームは、高齢者に対し寝る前の蛋白質摂取を推奨してきた。

 そして、実際に高齢者を対象とした臨床試験では、寝る前の蛋白質摂取により、血液中のアミノ酸の濃度を高め、夜間に合成される蛋白質を増やす事は好成績が得られている。そして、今回、ホルウェルダ氏の研究チームは高齢者の為に、新たな筋肉増強の仮説を立て、その効果を確かめるため臨床試験を実施した。

 

その新たな仮説とは、

寝る前の蛋白質補給だけでなく

運動も行うと筋肉の蛋白質をさらに増やすことができるのではないか。

というものだった。

 

■健康な高齢者(平均年齢71歳)23人を2グループに分けてテスト

 健康な高齢者(平均年齢71歳)23人を登録し、夕食後に運動するグループ(11人)と、運動しないグループ(12人)のどちらかにランダムに振り分けた。実験当日には全員が朝食前に集合し、各人が必要とする熱量(カロリー)に合わせて作られた食事(3食+スナック2回)を提供した。

 

実験グループの生活スケジュールはこちら。

 

 

18時30分:夕食
19時45分から20時45分:運動(運動グループのみ、中等度の筋肉トレ
21時:採血
23時30分:筋肉標本を採取、蛋白質(カゼイン)40gを含むプロテイン飲料450mLを摂取
0時:就寝。睡眠中にも血液標本を複数回採取。
翌朝:起床後すぐに筋肉標本を採取。

 

 中程度の筋トレメニュー詳細が知りたいところだが、そこは不明だ。検査の結果、就寝前に飲んだプロテイン飲料は正常に消化・吸収され、その中に含まれる蛋白質に由来するアミノ酸の54%が血液中に存在。血液中のアミノ酸全体の濃度や、全身における蛋白質の合成と分解の状態は、運動グループと運動なしグループで差が見られなかったという。

 

 しかし、寝ている間に合成された筋肉の蛋白質に違いがあった。就寝前に摂取したプロテイン飲料由来のアミノ酸が、28%多く含まれ、筋肉における夜間の蛋白質の合成速度を比較したところ、運動グループの方が27%から31%速かった

 

 

■夕食後に筋トレしたグループ結果

【1】高齢者が就寝前に蛋白質を摂取すると、アミノ酸の形ですみやかに体内に吸収され、寝ている間に筋肉に取り込まれることが分かっている。

【2】今回、高齢者を対象とした臨床試験で、蛋白質摂取に加え、夕食後に筋トレを行うと、運動をしない場合に比べ、アミノ酸が約3割多く筋肉に取り込まれ、また、筋肉における蛋白質の合成速度も約3割速くなるという結果が得られた。

【3】高齢者の筋肉量維持に、夕食後の筋トレと就寝前の蛋白質摂取をセットで行うと有効性が高いという可能性が示された。

 

■筋トレを行うタイミング・タンパク質の摂取法については更なる研究待ち

 この研究の結果から、夕食後の筋トレと就寝前の蛋白質摂取の両方をセットで行うことで、就寝前の蛋白質摂取だけを行った場合に比べて、睡眠中の筋肉増強に効果がある事は示された。

 筋肉増強において、そもそも筋トレを行うタイミングはいつがベストなのか、就寝前の蛋白質摂取はドリンクと他の摂取法とどちらの方がよいのか、などについては今後の研究結果待ちであり、期待が集まっている。

 

 

(文・編集部)

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