【NBA】ステフィンカリー『想像を絶するトレーニングの賜物』から生み出される進入角度「46度」のシュート
ステフィン・カリー(Stephen Curry)
アメリカ合衆国のバスケットボール選手。
身長 191cm 体重 86kg
■アスリートの偉業を目撃した時、なぜ私たちは「物語」を求めるのか
スポーティング・ニュース紙のコーリー・コリンズ記者曰く:「我々は複雑な人物像を描きたい。ある程度ダークな過去も掘り起こしたい。カリーはコート上でもプライベートでも完璧すぎて、誰に取材しても、メサイアの再来のように言う。それはもちろん良いこと……だが我々は書くことに困る」つまり、カリーが「上手い」というあまりにも明白な事実を書く他に、彼の生い立ちや成長過程を取材しても、記事になる「物語」が、なかなか見つからないというのだ。
鍛え上げてきた筋肉は「物語」の塊であり、NBAプレイヤーであるステフィン・カリーの筋肉も当然、成長過程が凝縮された「物語」である。今回は、NBAプレイヤー、ステフィン・カリー選手のトレーニングとその磨き上げた筋肉が生み出すミラクルシュートを決めまくるプレー動画をご紹介したい。
まず、この写真はシュートを打つ時のジャンプ、フォームのトレーニングシーンなのだが、恐ろしい事に両サイドには黒いこん棒のようなもので叩き落とす為の男性が2名いる。相手ディフェンスを想定したものであり、そこに向けてシュートジャンプをするステフィン・カリーが中央に立つ。手には重いメディシンボールを持ち、両手首と腰にウェイトを巻きつけている。さらには腰には地上から負荷をかけるゴムが2本つけられており、いったいどれだけ多くの負荷をかけたいんだよカリー! と思うかもしれない。それは愚問、全ては筋肉強化の為である。
■バスケットボール選手としては小柄で体格に恵まれなかったカリー
実際、バスケットボール選手としては小柄で、ジェームスやデュラントのような体格に恵まれなかったカリーは、名門大学のスカウトからことごとく無視され、NBA入りした後も度重なる怪我に悩まされた。カリーのMVPは決して天から降ってきたものではなく、彼がオフシーズンごとに積み重ねてきた想像を絶するトレーニングの賜物なのだ。
ステフィン・カリーはNBAの世界では決して恵まれた体格ではなく、進学含め世に実力が認められるまでには多くの成長過程、困難があった。実際にそれらの壁をはじき返し、MVP含め歴代最高のシューターと評されるほどの実力を身につけたのは、価値あるトレーニングを着実に積み重ねてきたからこそなのである。このような負荷で筋肉を鍛え続けたステフィン・カリーは、試合の空中空間では体が綿毛のごとく軽く、精密にコントロールできているのだろう。
■バスケットボールの理想的なシュート条件「45度」という研究
研究者がNBA、WNBA、大学、高校などのプロ・アマチュアを問わずにあらゆるレベルのプレイヤーのシュートを徹底的に分析したところ、リングへのボールの進入角度に大きな特徴が見つかったとのこと。リングへの進入角度は「45度」が最もゴールの確率が高く、それ以下でもそれ以上でもシュート成功率は低くなることが判明したそうです。
(引用:http://gigazine.net/news/20160609-noah-basketball-machine/ )
バスケットにおいて、リングへの進入角度は「45度」が最もゴール確率が高いことが研究で分かっており、練習も角度が分かるNoahマシンなるとてつもないものが登場しているという。また、理想的なシュートを放つプレイヤーは、高校生では10%未満であり大学生では50%、NBAでも85%とのこと。当然、ステフィン・カリーもNBAの85%の中に属し「45度」の進入角度でシュートを打ちまっているからあの成功率と思うわけだが、分析データは驚くべき結果を提示した。
■小柄なステフィン・カリーのシュート進入角度は平均「46度」、大男たちの頭上を越える必要があるから
データによれば、2年連続MVPを獲得したステフィン・カリーの2014年、シュートの進入角度の平均値は「46度」だったという。一番決まる進入角度のシュートで打てない技術などでは決してなく、NBAプレーヤーの中では小柄であるカリーが大男たちの頭上を越えるシュートを放つ必要があるために、理想の「45度」をわずかに上回るシュートを打っていると分析されている。科学的には不利な状況でも、ステフィン・カリーは己の肉体と技術を研ぎ澄ませ、他を圧倒する成功率でゴールを決めている。
それでは最後にステフィン・カリーのトレーニング風景が分かる動画と、ミラクルシュートプレーが詰まった動画をご紹介したい。
■【トレーニング映像1】Stephen curry / workout
■【トレーニング映像2】Stephen Curry
■【プレー映像】Stephen Curry Top 10 Impossible Shots
(文・編集部)