宇宙ステーションに6カ月間滞在の宇宙飛行士の筋肉量を測定した結果、約40パーセント減少

 uuu1 - 宇宙ステーションに6カ月間滞在の宇宙飛行士の筋肉量を測定した結果、約40パーセント減少

 

 19世紀、ジュール・ベルヌに代表されるSF作家たちは宇宙旅行への憧れを書きつづった。当時はただの妄言とも言えたであろう内容は、技術の発達とともに実現性を帯びてきた。そして、爆発的な人口増加にともなって生まれたのが、火星を第二の母星にしようという試みだ。’61年、ガガーリンが初の有人飛行を成功させ、アポロ11号が月面着陸を果たした。

いまでは多くの宇宙飛行士たちが更なる宇宙技術の発展に向け、宇宙ステーションで作業を続けているが、 いまだ火星の調査に関しては無人ロボットを送り込む程度の発展しか見られない。それはなぜか、じつはここに筋肉問題が発生していたのだ。

 

 NASA「ジェット推進研究所」のダヴァリン博士は「人は長期間、無重力状態で生活すると筋力が弱くなってしまう」と火星に辿り着く前に衰弱する可能性を指摘する。それを裏付けるレポートもある。米マルケット大学の研究チームによると、宇宙ステーションに6カ月間滞在していた30~50代の宇宙飛行士9名の筋肉量を測定した結果、滞在前に比べて筋肉量が約40パーセント減少していたことがわかった。これは重力による影響だ。

 

 地上では地球の持つ重力が常に一定の負荷を与えているため、意識しなくても運動しているのと同じ状態を維持しているのだが、宇宙空間では負荷が一切なくなってしまう。そのため、急激に筋肉が衰えてしまうのだ。

 

 宇宙飛行士とは離着時にかかる強烈なGに耐えるために常日頃からアスリート並のエクササイズをしている筋肉セレブだ。トレッドミルをおこないながら、二桁の掛け算を暗算で答えるほどの知的筋肉保持者(インテリジェンスマッスルホルダー)だ。そんな素敵筋肉が宇宙に1カ月間滞在しただけで失われてしまう。6か月で40パーセントもの筋肉たちが失われてしまう。地球に戻ったときには立ち上がることもできないというのだ。

 

なんてことだ。

 

 火星に到着するまで約8カ月ほどかかるのだが、その時点ですでに筋肉は失われている。恐らく、起き上がることもできないのだろう。なら、それを防ぐためにも「ドラゴンボール」のような重力発生装置を作れば、 問題は解決できるんじゃないだろうか。

実際、宇宙関係の講演会でも同様の質問は多々あるようだが、「もちろん原理上は正しいのですが、 実用できるほどの技術はない」(ダヴァリン博士)というのがNASAの見解だ。火星移住計画は筋肉問題のために行き詰っていたのだ。

 

 やはりブリーフ博士は天才だった。

重力発生装置が開発されるまでに我々筋肉バカができることは、宇宙エクササイズの開発に相違ない。

 

(文:筋肉バカドットコム)

 

41 zuW69%2BfL. SL160  - 宇宙ステーションに6カ月間滞在の宇宙飛行士の筋肉量を測定した結果、約40パーセント減少
ピエール・フランク
サンマーク出版
売り上げランキング: 82,139

このサイトをフォローする!