これは有り得ない!「メルカリのグローブを売るCM」が真剣にスポーツに打ち込んでいる選手と関係者を怒らせる理由

 これは炎上商法なのだろうか。とても残念な理由でメルカリのCM「メルカリ17年冬CM_ 【サヨナラ青春】30秒」編が話題だ。フリマアプリのメルカリが高校野球を舞台にしたCMを放送しているのだが、その内容はもはや、球児達に限らずスポーツに真剣に打ち込んできたトレーニーならば有り得ない! と感じてしまうものになっている。

 

■CMは緊迫した最終回の守備シーンから始まる

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 CMの舞台は、青春をかけてのぞんだ最後の高校野球の試合。エースは一打サヨナラというピンチで、全力を尽くす。しかし豪快に打たれてしまうという衝撃のシーンからはじまる。「まさか!」と振り返るピッチャー、そして監督、自チームのベンチ。もちろんスタンドで応援しているチアリーダー達も振り返った。

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■外野手の必死な表情が泣ける

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 そんな中、なんとしてもキャッチしようと必死に打球を追いかけるレフトの外野選手が映る。映像はスローモーションになり切ないメロディーが流れていた。このシーンは非常に良く、徐々に打球がホームランである事が伝わってきた。入ればサヨナラ負けだ。球児としての熱い青春、戦いが終ってしまう瞬間。この外野手の顔は素晴らしく良い。真剣にスポーツに打ちこんで来た者ならば、誰もが目頭が熱くなる表情だ。

 

 だがここから、このCMに問題が発生する。ベンチにいる1人のチームメンバーが、打球を見て試合に敗れたなと判断するやいなや、瞬時に『身に着けているグローブをメルカリのアプリを使いその場(ベンチ内)で売る』という衝撃行動をとるのだ。

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「あー(ホームラン)いったねこれ。ハイ、売ろ!」と明るく言う問題のシーン。

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 厳密には、まだホームランだと決まっていないタイミングであろう。打球を見て判断。しかもそれだけでなく、この1人がメルカリでグローブを出品したあとに負けが確定するのだが、まるでウソ泣きのような行動をベンチ内でするところまでがワンセットでCMとして流れるのだ。

 

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 「つかわないもの、手軽に売れる」というメルカリのナレーションも加わる。これはあまりにも構成がひどすぎるぞ・・・!! グローブがなくて野球ができるか! である。そこで、このCMがどう有り得ないのかを3点あげたい。

 

■ありえない点1:試合中にスマホをいじらない

 まず、高校野球の試合中、しかもベンチでスマホをいじるなんて事は絶対にありえない。最後の最後まで、ベンチからチームの勝利を信じて試合を見つめ声援を送っているのが青春をかけた試合だ。

 

■ありえない点2:グローブの値段がやたら安い

 その場でグローブを売る行為はもちろん有りえないのだが、4500円という価格で出品する点も有り得ない。硬式野球グローブは定価では3万円~5万円ほどするため、値段という面から見ても色々とひどい。必死にお金をやりくりして高価なグローブ用品を買った親も絶対に良い気持ちはしないだろうし、さらにいえば、丹精込めて作っているスポーツメーカーも即売りかつ4500円て・・・。と、激オコなシーンではないだろうか。

 

■ありえない点3:ベンチにそんな仲間がいたら嫌過ぎる

 そもそも、監督含め、誰もが青春をかけて3年間練習を積んできた仲間の中にそんなやつがいるとは思いたくはないだろう。過去、高校野球のベンチで応援してきた選手達も、そんな風に自分達が描かれていたら嫌な気持ちになるものだ。ましてや強豪高などでは部員は100名を超えており、ベンチに入れずスタンドで応援を送る3年生も沢山いるのだ。そんな世界で共に練習を積みしのぎを削ったきたメンバーの中に、その場でメルカリでグローブ出品してウソ泣きでその場を合わせる。そんな事は・・・、絶対にありえないのだ!!

 

■メルカリのCM関係者に見て欲しい、野球道具「こだわりの一品」〜 vol.4 炭谷銀仁朗 〜

 メルカリには、是非とも埼玉西武ライオンズの野球道具「こだわりの一品」というシリーズ動画を是非みていただきたい。これを観れば、スポーツ道具をどれくらい大切にしている人達がいるのか。きっと分かるのではないだろうか。何度見ても即グローブを売るCMには問題を感じる。高校球児に対してだけでなく、スポーツに真剣に打ち込み道具を大切にしている人達、そして、選手を応援している多くの関係者に対しても、とても失礼なCMになってしまっているといわざるを得ない。

 

(文・編集部)

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