ラグビー三菱重工相模原ダイナボアーズの活躍を支える専門家「メディカルチーム」の存在

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■2015年12月01日(火曜日8:00~)

三菱重工相模原ダイナボアーズ

(場所:神奈川県相模原 三菱重工相模原グラウンド)

 神奈川県に本拠地を置く、三菱重工相模原ダイナボアーズという社会人ラグビーチームがある。愛称は「ダイナボアーズ」。ダイナボアーズは今季、佐藤喬輔新監督のもと無敗で日本最高峰トップリーグ下部組織であるトップイーストリーグを制覇。2015年度のトップリーグの入替戦へと進出を決めている強豪チームだ。ラグビー選手の活躍する姿や筋肉は試合会場に行けばたくさん観る事ができるが、その選手たちの怪我を予防したり怪我からの復帰を支え続けたりといったことを担当する専門家たちがいる。ヘッドトレーナーやアシスタントトレーナー、鍼灸師、治療家などで構成される「メディカルチーム」という存在である。

 

 そのメディカルチームの存在に筋肉バカは注目せずにはいられない。なぜなら、選手達が常に良いパフォーマンスを維持したり、怪我の予防や怪我からの復帰などが実現できているのはメディカルチームの技術、連携、緻密なサポートがあるからこそ、と考えるからである。ダイナボアーズの強化を目指す現場でメディカルチームはいったいどんな事をしているのか。筋肉バカは取材を申し入れ、全力疾走で神奈川県の相模原に猪のごとく向かった。

 

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 朝一の全体ミーティング。次の試合に向け、監督やコーチが対戦相手の分析結果を伝え、戦うべきポイントを話している。外国人選手のために同時通訳しているスタッフもいる。監督は日本人であるため監督が話す時は日本語を英語に訳して伝えているが、外国人コーチが話す時には逆に日本人選手のために英語を日本語に訳していく。

 

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 メディカルチームは後ろのほうの席で選手ミーティングに参加。勝利を目指す仲間としてダイナボアーズの選手たちと同じ内容を聞く。

 

 テーピングルーム

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(左奥・ヘッドトレーナー 舟橋さん 左手前・アシスタントトレーナー 関口さん)

 全体ミーティングが終わると、午前練習に向けてメディカルチームはテーピングルームへ移動。テーピングを必要とする選手たちが続々と部屋に入ってくると、すばやく選手一人ひとりの状態に合わせてテーピングをしていく。選手それぞれ骨格も状態も違うためたとえ同じ部位でも微妙な巻き方の違いが必要になるが、メディカルの担当ならば全ての選手の情報が頭の中に入っており迅速に的確なテーピングを行っていく。まさに職人技である。選手は安心して任せているのが表情からもわかる。

 

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ウェイトルーム

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 練習は全体で大きく2手に分かれて行われる。ウェイトトレーニングから始める選手たちは部屋に入ると、やるべきトレーニングメニューを確認するためホワイトボード前に集まる。そして選手たちはシッカリと内容を確認。一瞬で後ろからはホワイトボードが見えなくなり、いかに選手たちがデカいかがわかる。

 

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 トレーニングを始める前にポジションごとにその日の状態を専用ソフトに入力する。これにより選手自身がその日の状態を把握することができ、またデータを溜めていくことで、メディカルチームが肉体の状態などを緻密に管理することができる。

 

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 目を横にやると、当然のようにプロテインやサプリメントが常備されていた。しかしこれは好き勝手に飲み放題というわけではなく、選手それぞれの成長を考えて、飲む量と種類、タイミングがシッカリと決まっているとのことだ。

 

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 これらのサプリメントも1日に摂取する量が選手ごとにシッカリと決められている。

 

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 栄養成分へのこだわりに度肝を抜かれる瞬間だ。栄養にこだわったダイナボアーズ特製オリジナルプロテインが作られて配置されているのを発見してしまった。

 

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 プロテインやサプリメントの残量が少なくなれば、アシスタント・ストレングスコーチが気付いて補充してくれる。よく飲まれるのはココア味とのことだ。また飲み方としてはオレンジジュースで割って飲むのを選手たちは好んでいるという。

 

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 大音量のクラブミュージックの中で、自分のために作られたトレーニングメニューを選手達がひとつひとつ積み重ね行っていく。

 

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 左手にガッチリと立ち腰に手を当て選手を見ているのは「ストレングスコーチ」の一本杉さん。

「ストレングス」という選手の筋力アップメニューなどを考えるコーチである。

 

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 ウェイトトレーニングの補助する選手。激しい衝撃が生まれるトレーニング時には助け合いが必要となる。

 

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 もはや余計な言葉はいらない。確実に強いッ!

 

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 ウェイトルーム内では、鏡を見ながら行える自重トレーニングスペースもあった。

 

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 低酸素マスクを着けてのバイクコーナーである。

 

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 選手のトレーニングを厳しくチェックするストレングスコーチの小野さん。

なんと小野さんは海外でプレーしていた女性ラガーマンとのことだ。英語もバリバリなのである。カッコいい。

 

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 ウェイトルームの柱や壁には、このような熱いポスターが貼られていた。

「ハードに自分を追い込めば、簡単に諦められなくなる」。諦めない強さを得る為にハードにやらねば! と気合が入る。

 

メディカルチームは使用する薬品の成分にも細心の注意を行う

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(メディカル・ヘッドトレーナー舟橋さん)

 選手に塗る薬など使用する薬品にも細心の注意を行う必要があるとのこと。一般的に市販されている風邪薬などは成分違反になるため、ほぼNG。メディカルチームが問題のない薬品をリストアップしておき必要に応じて選手に使っているのだ。

 

午前のメニューがひと段落し、選手たちがケアに来る

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(メディカル・トリートメント 宮原さん)

 大型選手の腰をマッサージしている。

 

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 (メディカル・トリートメント 仲達さん)

 疲労を取るため、頭の筋肉をケアしている。

 

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 クリームを塗り、脚に電気を送っている。選手はみなリラックスしていてとても気持ちよさそうである。

 

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(お灸をしてもらう選手)

 

ンチタイム、栄養士が考えたバランスの良い昼食を食べる選手たち

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 午前の練習を終え、ランチタイムとなった。

 

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 メニューは栄養士さんが考えたものであり、献立はスケジュールされ壁に貼り出されている。

 

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 各自が盛り付けていくが、ベストなコンディションを得るために、食べる量については個人ごとに品単位で栄養士から指示されている。選手同士も他の選手がどのくらい食べるべきか大体把握しているとのことであり、お前はもっと食え、お前の場合はそれ多すぎじゃないの? など、お互いにチェックできるアスリートならではの切磋琢磨ランチである。

 

午後のグラウンド練習に向けてのテーピング

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 ランチが終わり少し休憩をしたら、午後の練習に向けて全員が動き出す。

メディカルチームはテーピングルームで待機する。

 

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(メディカル・アシスタントトレーナー 関口さん)

 

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 極太の上腕にテーピングを貼っていく。

 

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 準備が出来た選手が続々とグラウンドへと向かう。

 

ラウンド練習

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 選手、コーチ、メディカルチームなど関係なく、全員で肩を組む。

 

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 ウォーミングアップがはじまると、グラウンドで使う道具の準備。

 

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 グラウンド練習の間は、選手の運動状況などのデータをリアルタイムで収集、把握し、チームで情報共有を行う。トランシーバーでヘッドトレーナーがチェックポイントを指示し、選手がオーバーワークしないよう的確に判断。それぞれの担当に伝えていく。

 

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 練習中、ドリンクを次々に補充していく仲達さん(左)と宮原さん(右)。

 

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 選手の動きを見つめる宮原さん。

 

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 時間を無駄にしないよう、効率的な技術練習が行われていた。

 

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 全体練習終了。メディカルチームも集まる。全員がグラウンドの中央に集まり、監督やコーチが話をしていた。

 この後、選手たちはそれぞれの自主練習へと移る。

 

 ■選手の力を上げるため、各専門家(スペシャリスト)たちが分析し連携する

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(パフォーマンスディレクター:マーティンさん)

 「選手それぞれを見て、ストレングスの弱さの部分を見つけ出して強化しています。メディカルのほうで関節のテスト、筋肉のテストをし、それらの結果を合わせて一人ひとりに違うメニューを考えます。選手が今までやってなかったことは何かを考え、ラグビーだからという視点ではなくて、この選手の弱さを強化するために何が必要か、という視点でやるべきことを考えています」(マーティンさん)

 

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(ヘッド・ストレングスコーチ:一本杉さん)

 「筋肉を大きくする、筋力を強くするなど選手一人ひとりメニューを考えます。ポイントは量は少なく、運動強度を高く。ウェイトルームではフォームなどを見ています。若い選手には少し多めに言いますが、今はある程度選手がちゃんと自分で判断できるようになっているので、本当に疲れて意識が弱まっている時などに言うくらいにしています」(一本杉さん)

 

ダイナボアーズ選手談 (堀越選手・村上選手)

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 (インタビュアー・ お笑い芸人『奴子食堂』 (中央左:天野 中央右:菊竹 ))

 この日、大学ラグビー経験者のお笑い芸人奴子食堂の2人をインタビュアーとして、ダイナボアーズの現役選手4名の体験を聞かせていただいた。4名とも怪我を経験し、そして復帰を果たしてきた選手たちだ。メディカルチームのサポートをどのように受け、そして復帰へと向かっていったのだろうか。まず最初に話す機会をいただいたのは、堀越健介選手と村上崇選手。午前練習後の休憩中に話を伺った。

 

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 「奴子食堂です、よろしくお願いします。今の社会人ラグビー選手は身体つきはもちろん、ケアや食事、運動データの管理も含めてこんなにも違うのかとビックリしました。昔のラグビーに対する取り組みと比べ、感覚が全然違うなと。今日、相方に短パン履かせてきたのが恥ずかしいですね(笑)」(菊竹)

「……。」(太ももに手を当て、少し隠そうとする天野)

 

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 (左堀越 健介選手 右:村上 崇選手)

「自分は手術して、大掛かりな入院期間1ヶ月半、そこから3月に退院し、実践復帰まで6ヶ月ほどかかりました。その間ずっとメディカルスタッフの方にみていただきました」(村上選手)

 

――復帰に向けてどんなやり取りが行われてきたのか

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 「ヘッドトレーナーの舟橋さんが、復帰に向けて個人個人に合ったメニューをしっかり組み立ててくれています。お前にはこういうメニューが必要だぞ、というように。ケガ人とはいえ、元気だった時よりも強くなってグラウンドに復帰しようという形でプログラムを組んでくれます」(堀越選手)

 

――身体ケアだけではない心のケア

 「何名もいるケガ人の1人であるはずだけれども、最近調子はどう? と一人ひとりに声をかけてくれます。ケガ人はプレーができないので凹むわけですが、いける! いける! と声をかけてもらい復帰に向けてのトレーニングに対してもモチベーションが上がります」(堀越選手)

 

  「メディカルスタッフに舟橋さんが頭(ヘッド)にいて、アシスタントに関口さん、トリートメントする宮原さん、仲達さんの4人がいますが、選手から見てとても一体感があります。情報の疎通が早く、誰かにちょっとここの調子が悪いと伝えると、スタッフ全員が把握していて安心できます」(村上選手)

 

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――怪我する前よりも強く速くなった堀越選手

 「ラグビー選手はデカくて強くて速いのが一番ですが、私は怪我をする前よりも体重が5kgアップし、体脂肪は約3%落ちスピードが上がりました。復帰へのトレーニングでは細かい動きを改善するメニューが多く、細かいステップなどケガする前にはできなかった動きができるようになりました。もちろんトレーニングは地味でハードなものも多く、メニューを渡され1セット目を終えた時点で、うそだろ? とそのハードさに衝撃を受けましたが(笑)」(堀越選手)

 

ダイナボアーズ選手談 (椚選手・大和田選手)

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(左:椚 露輝選手 右:大和田 祐司選手)

一日の練習を終え、ひと段落したタイミングで話を伺った。

 

――大学と比べて怪我からの復帰プロセスに違いはありますか

 「大学当時だったら全てのトレーニングや動きのチェックを1人で見てもらっていました。社会人になると専門分野で人が分かれています。ちょっと動けるようになったらこの人、もうちょっと動けるようになったらこの人、グラウンドレベルになったらこの人というように。経験としては、良い部分と悪い部分があります」(椚選手)

 

 トレーニングや復帰シーンにおいて各専門家が分かれている事について、椚選手は経験上、良い部分と悪い部分があるという。専門家同士のコミュニケーションが上手く取れていない場合、専門家に状態を見てもらうときに、意思疎通ができず戸惑うことがあったとのこと。しかし今の環境ではそのコミュニケーションが上手く行えてると感じており、その場合は専門家が沢山いた方が選手としてのメリットが大きいという。

 

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 もしかしたら怪我しかしてこなかったかもしれないと冗談交じりに笑う椚選手。椚選手と大和田選手は山梨学院大学を経てダイナボアーズで活躍している。インタビュアーである奴子食堂の2人も山梨学院大学のOBであり、大学の思い出話に華が咲いていた。そして大和田選手の怪我からの復帰について話を伺うことができた。

 

――前十字靭帯の断裂からの復帰

 「昨年に前十字靭帯の断裂を経験しまして、5日後に手術。復帰まで約1年を棒に振りました」(大和田選手)

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 「昔だったら29歳の年齢で前十字靭帯やったら……。復帰とか無理だったのでは?」(菊竹)

 

 大和田選手はすでに復帰を果たしたものの、膝をかばうため、全盛期に比べて感覚としてスピードが落ちた気がするとのこと。ただ、スピードや筋力などのデータは常に比較できているはずなので、そこに差が無ければ、選手自身としての相当に高いレベルでのプレー感覚の差を語っていると思われる。29歳という年齢で直面した前十字靭帯の怪我からの復帰。そして今もなお現役でプレーしていることは事実である。大和田選手の先輩である奴子食堂の2人もその復帰に驚いていた。

 

  筋肉バカは、怪我した選手が復帰するためのテスト風景を特別に見せてもらっていた。そのテストは自主練も終わったグラウンドにて、担当コーチ、トレーナーのもと行われる。

 

 怪我から復帰を目指す2名の選手、合流の合否チェックをする

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 メディカルチームの復帰プロセスを長期間積み重ねてきた選手2名。今日が復帰するための最終テストとの事。 ストレングスコーチの小野さんが怪我からの復帰を目指す選手2名と、怪我をしていない選手の2名を呼ぶ。

 

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 復帰テストを行う選手2名の姿を見守るダイナボアーズの仲間たち。

 

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(選手が鋭いプレーをし、仲間から歓声が上がる)

 動きの鋭さはもちろん、怪我した箇所を恐れていないか。果敢なプレーを行う精神力があるか。その1プレーずつからコーチは厳しく判断していく。妥協した動きが出れば指摘を入れる。もちろん、良いプレーをすれば周りにいる仲間から歓声が上がる。しかし復帰するためにはコーチからの合格を貰わなければいけない。コーチも選手も真剣そのものである。また、この結果を踏まえて復帰するかどうかの最終決定をするのは、ケガ人の総責任である「メディカルチーム」のヘッドトレーナーである。

 

「メディカルチームはSC(ストレングス&コンディショニングコーチ)と協力し、選手をサポートしています。メディカルチーム単独の働きだけでなく、チーム一丸となって問題を解決していきます」(メディカル・ヘッドトレーナー 舟橋さん)

 

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 こうして復帰テストを含めたこの日の全スケジュールを終えたダイナボアーズ。高い競技レベルで勝利を勝ち取ることは並大抵の事ではないのである。そして、選手が怪我をしてしまった際にさらに強化してグラウンドに戻ってくるためのサポートをする「メディカルチーム」の存在に筋肉バカは触れる事ができた。明日も筋肉を知り尽くした専門家たちは強化やケアを行い選手たちを支えていく。

 

【取材ご協力頂いた皆さん】

パフォーマンスディレクター:マーティン・ヒューメさん

ヘッドS&C:一本杉 仁志さん

ヘッドトレーナー:舟橋 立二さん

アシスタントS&C:高橋 健一さん(ニックネーム:TK)

リハブ/S&C:小野 麻子さん(ニックネーム:デジ)

アシスタントトレーナー:関口 純裕さん

トリートメント:宮原 陽介さん、仲達 陽貴さん

栄養士:大滝 千香子さん

 

■フロント・監督・コーチ・選手・スタッフ

ゼネラルマネージャー:武山 信行さん

チームディレクター 石井 晃さん

監督:佐藤 喬輔さん

ヘッドコーチ:ジョージ・コニアさん

FWコーチ:デレン・ウィットコムさん

BKコーチ:安藤 栄次さん

通訳:東山 英樹さん

採用:児玉 智繁さん

主務:竹花 耕太郎さん

副主務:竹井 勝彦さん

事務局:松永 武仁さん、森田 久江さん、新田 和昭さん、岡田 妃納子さん

選手のみなさん

広報:上野 聡さん

 

(取材・取材班/ 奴食食堂  文・遠藤大次郎 写真・筋肉バカドットコム)

 

【お知らせ】

※お笑い芸人、奴子食堂さんのラジオ番組「今日のおつまみ」にて、三菱重工相模原ダイナボアーズの取材で感じた事について話します。後日公開予定ですのでお楽しみに!

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【試合告知】

~トップリーグ入替戦のご案内~

1月30日(土)12:00キックオフ

熊谷ラグビー場

三菱重工相模原ダイナボアーズ VS NECグリーンロケッツ戦

※トップリーグ入替戦の詳細は下記ホームページからご覧ください。又は、「ダイナボアーズ」で検索お願いします!

http://www.mhi.co.jp/gsh/dynaboars/

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