【感動の復活】長谷川穂積「みなさんの声援が力になりました。」29戦無敗だったオラシオ・ガルシアに判定勝ち!
長谷川穂積、進退かけた再起戦判定勝ち!無敗のホープ撃破して復活
久々の勝利に長谷川は「みなさんの声援が力になりました。ありがとうございます。むっちゃ怖かったです。1年前の試合で納得できなくてこのように試合組んでいただいて会長に感謝しています。1年ぶりの試合に多くの方が応援してくれて今日という日を迎えることができて良かったです」とリング上で喜びを語った。
長谷川穂積が、5月9日に復帰戦を行い29戦全勝していた世界ランカーの強者、オラシオ・ガルシアに判定勝ちし復活を遂げました。
昨年4月に3階級制覇を狙ったIBF世界スーパーバンタム級王者キコ・マルティネス(スペイン)に7回TKOで敗れ引退も噂されていた訳ですが 今年1月に現役続行を表明。今回が約1年ぶりの復帰戦となっていました。
■相手は29戦無敗というホープ、オラシオ・ガルシア(24歳)
山下正人会長は復帰戦の相手を、「長谷川が希望する世界ランカー」から探したが、試合予定があるなどなかなか見つからなかった。「ちょっと強すぎるのではないかと思う」と苦笑するほどガルシアは伸び盛りの選手だ。(引用:http://boxingnews.jp/news/23876/)
戦績は29勝21KO無敗、WBC世界スーパーバンタム級9位で勢いがあるオラシオ・ガルシアを復帰戦に選ぶことは、かなりのリスクがあると言われていました。
■前日の本人のブログに記されていた心情
明日、試合をします。去年の4月に負けてから約一年、ボクシングして一番悩み考え過ごした一年でした。今年にもう一回試合すると決め今日まで練習してきましたが、一年というブランクは思うように身体が動かなかったり、自分の動きがわからなくなったり、ケガもしながら今日までやってきました。一年前の負けた日の4月23日は亡くなった母親の誕生日。勝利をプレゼントしたかったけどできなかったから、明日1年遅れたけど2年分の勝利をプレゼントできたら嬉しいな。
(中略)
正直、相手はむちゃ強いと思う。相手に不足なし。
(長谷川穂積オフィシャルブログより引用:http://ameblo.jp/hozumi1216/ 2015年05月08日(金) 21時55分23秒)
ブランクからの困難や試合前に練習してきた自分の力が発揮できるだろうかと不安になる事が分かります。そして 今回も長谷川は、今は亡き母親に対する想いを胸にし戦っている事がわかります。
■母親の治療の為にもボクシングの世界で戦ってきた長谷川
長谷川の母親は2006年11月に大腸癌が発見されて以来、闘病生活を送っていた。特に最先端の陽子線治療を受ける際には陽子線治療機関への一度の入院で約300万円の医療費がかかるため、「母親のためにも絶対に勝ち続けて医療費を稼ぎたい」という気持ちが大きなモチベーションの一つになっていた。一方の母親も息子の試合当日は病の身体を圧し必ず会場まで応援に駆け付けていたが、息子のWBCフェザー級王座挑戦を1か月後に控えた2010年10月24日に死去。その後、長谷川は11月26日の試合で王座獲得を果たした際、リング上で母親の遺影を掲げ喜びを表した。
■最終ラウンド(10R)、見守る家族に真剣な合図をする長谷川
試合は見事なフットワークで戦う長谷川ペースで進行し、判定勝ちが確実だと思われた試合運びをしていた訳ですが、なんと最終ラウンドもアグレッシブに突進していく事になります。
試合映像を良く見ると、この最終ラウンドに入るときに家族に真剣な目線、合図を送っています。途中のラウンドにあったような笑顔は見せていません。疲労が溜まり苦しくなっている状況ではあるものの、ただ勝つということではなく、最後まで強い長谷川のボクシングスタイルを見せにいくぞという気迫ではないでしょうか。そしてその結果がどうなっても見届けて欲しいという僅かな不安、家族へのメッセージのように感じます。攻めれば当然、カウンターを貰って倒されるリスクがある訳ですが、アグレッシブに10Rを戦い続けることに長谷川のボクシングや生きざまに対する美学を感じました。相手のオラシオ・ガルシアも納得する3-0判定での長谷川の復活勝利です。
■再起戦 長谷川穂積 2015
試合風景が分かる動画です。
■Ultimate 長谷川穂積 Hozumi Hasegawa “Farewell” Career Highlights
長谷川穂積のボクシング歴史を感じる事ができるカッコいい動画です。
(文:編集部)