【ラグビー】サンウルブズ「堀江翔太」、全てのプレーが高い水準にいる選手はそうはいない

(出典:http://rugby-rp.com/)

堀江 翔太(ほりえ しょうた) ラグビー選手。180cm、105kg。
トップリーグのパナソニックワイルドナイツ、世界最高峰のスーパーラグビーのサンウルブズに所属。

 

Sラグビー、田村ら最終戦先発

 【ダーバン(南アフリカ)共同】スーパーラグビー(SR)の日本チーム、サンウルブズは13日、南アフリカのダーバンで15日に行われるシャークス(南アフリカ)とのレギュラーシーズン最終戦登録メンバーを発表し、けがで遠征に不参加のフッカー堀江主将に代わってゲームキャプテンを務めるSO田村、38歳のロック大野らが先発に名を連ねた。CTB立川は休養を理由に外れた。

(引用:http://this.kiji.is/126140153495111156)

 

 スーパーラグビー(SR)の日本チーム、サンウルブズは、15日に南アフリカにてシャークス(南アフリカチーム)とレギュラーシーズン最終戦を行う。堀江主将はケガで不参加となり、ゲームキャプテンを田村選手が務める事となったが、今回は、サンウルブズの初代キャプテン、堀江選手をご紹介したい。だがその前に、まずはスーパーラグビーについて説明しておこう。

 

■スーパーラグビーとは

 ニュージーランド(世界ランキング1位)、オーストラリア(同2位)、南アフリカ(同3位)のクラブチーム16チームに、アルゼンチン(同6位)のジャガーズと日本(同10位)のサンウルブズを2016年より加えた計18チームで争われる、世界最高峰のリーグである。

※ランキングは2016年5月時点

 

 わかりやすくサッカーで例えると、プレミアリーグ(イングランド)、セリエA(イタリア)、ブンデスリーガ(ドイツ)、この世界最高峰の3つのリーグを統一リーグにしているようなものである。そして、サンウルブズとは、この統一リーグにJリーグのオールスターチームで参戦するようなものだ。

 Jリーグのオールスターチームで参戦するので、当然、Jリーグでプレーする外国人選手も日本チームに入り、逆もしかりである。統一チーム側でプレーする日本人選手は日本チームには入れない。

 

■堀江選手のプレーヤーとしてのすごさ

 この世界最高峰の場で戦う、堀江選手のすごさとは何か。それは、フッカーというポジションであるにも関わらず、パス、ランニング、運動量にも優れていて、得点に絡めるプレーヤーだということだ。

 

 フッカーとはスクラムの一番前の真ん中にいるポジションで、スクラムの強さとスクラムをコントロールする技術が必要である。さらに、ラインアウト(ボールがラインの外に出た時、ボールをフィールド内に入れるプレー。人を持ち上げたりしている時のプレー)でボールを投げ入れるのも、ほとんどの場合がこのポジションだ。あの投げ入れるプレーはバスケットのシュートのようなもので、とても難しい。これらように、個人的に技術と経験を磨く必要のあるプレーを要求される、野球で言う所のキャッチャーのようなポジションである。

 

  フッカーとは、こういったポジションなのだが、堀江選手はさらに、ボールを持てばパス、キック、ランニングをし、トライに絡んでいく能力も持っている。このようなプレーのできるフッカーは、世界でもそうはいない。これをわかりやすく野球で例えるなら、キャッチャーなのにトリプル3を狙えるほど、走、攻、守が揃っているようなものだ。

 

 ラグビーには10のポジションがあり、5つのポジションに2人ずつ、5つのポジションに1人ずつの計15人でやるスポーツである。この1人のポジション(フッカー、ナンバーエイト、スクラムハーフ、スタンドオフ、フルバック)が鍵になる。これは野球でいうセンターライン(ピッチャー、キャッチャー、セカンド、ショート、センター)であり、ここに良いプレーヤーがいると、非常にチーム力が上がる。

 

■日本のラグビーを想う気持ち

 ご存知の通りラグビーワールドカップ2015での日本代表の活躍は素晴らしく、多くの選手達に海外チームからのオファーが来た。堀江選手は世界でも3本の指に入るフッカーであり、当然、堀江選手にも複数のチームからオファーが来たのだ。

 

 しかし、堀江選手は日本のラグビーのためにサンウルブズを選んだのである。また、堀江選手は日本のラグビーのためにポジションを変えている。堀江選手は大学までフランカーやナンバーエイトというポジションをやっていたが、社会人でプレーするにあたりポジションをフッカーに変えた。その理由は「日本ラグビーのレベルを上げるには器用なフッカーが必要だから」だったのである。

 

 今までの日本だけでなく、世界でも堀江選手のようなオールラウンドに全てのプレーが高い水準にいる選手はそうはいない。そして、日本のラグビーへの熱い想いを持った、サンウルブズのキャプテンなのである。

 

(文・菊竹 祥平)

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