『スポーツトレーナードラフト会議』、筋トレや筋肉について学ぶ学生と企業のマッチングイベントが面白い
■2016年5月7日(土曜日 11時30~)
(場所:東京都台東区花川戸2-6-5)
「ドラフト会議」というワードを聞いて何を思い浮かべるだろうか。ほとんどの人がTVで1度は見たことのあるあの光景「プロ野球ドラフト会議」ではないだろうか。プロ野球選手を希望する学生や社会人がスーツ姿でマイクの前に座り、各球団から指名されるのかハラハラし、どの球団が交渉権を獲得するのかを見守るという、あのドキドキ感を知る人は多い。ところが、である。スポーツや運動の現場で働く事を希望し筋トレなどについて学んできた学生を企業がスカウトするトレーナー界のドラフト会議、通称『スポーツトレーナードラフト会議』なるものが行われているという情報をキャッチした。
情報によれば、就活中の学生が企業の前でプレゼンを行ったり、各企業の説明を聞きたりすることでお互いの理解を深めていき、最後にスカウトカードというアイテムによって企業と学生のマッチングを行うという。つまり、筋肉リテラシーの高い学生に対する企業の交渉権の獲得である。筋肉バカはすぐさま取材を申し入れた。そして、自らの指名の可能性に備え、筋肉業界プロ志望届を握り締め現地へと向かった。
会場に着くと、出展企業9社、見学企業4社、そして大学や専門学校に通う1年生から4年生までの学生約60名が集まっていた。今回、『スポーツトレーナードラフト会議』は第2回目の開催とのことだ。
■学生達にドラフト会議でのアピール方法、ルールなどを説明していく
会場の前に立ちルール説明するのは、『スポーツトレーナードラフト会議』を運営している脇坂 大陽さん。自身も大学でトレーナーに必要な勉強をした後、パーソナルトレーナー指導を経験。現在はスポーツ関連企業へ就活したい学生への講演・研修などの講師も勤めており、企業との電話での話し方やメールでのやりとりの仕方など、学生が知らずについついやってしまいがちなミスポイントを分かりやすく学べる、参加無料の就活支援活動を全国で行っている。
今回のドラフト会議に挑むため、ルールを真剣に聞く学生達。
胸には企業に自分の事を覚えて貰う為に名前のプレートをかけている。
■出展企業が挨拶をする
(株式会社nano)
まず、参加企業が各3分程度の挨拶を行った。参加企業は以下の9つ。株式会社nano、Bon Body 合同会社、パシフィックスポーツクラブ、imok株式会社、株式会社Dr.トレーニング、飯田覚士ボックスファイ、株式会社そら、DIME.EXE、横浜FCだ。
(imok株式会社)
各代表の挨拶では企業のカラーや重視している事などがとても良く伝わってきた。各企業は今、どんな人を採用したいのかを丁寧に話していく。
■プレゼンしアピールしていく学生達
次に学生のプレゼンタイム。これは全員参加ではなく、行動力やスピードによってプレゼンの権利を手にした幸運な学生たち10名だけが行うことができ、1人1分の持ちタイムとなっている。この時間で、企業の求める人材であることを自らアピールできれば、企業からスカウトされる可能性がグンと高まる。
自身はどのような特徴を持ち、仕事を通じて社会に何ができるのか、何をしていきたいのかを1人ずつ話していく。
学生のプレゼンを聞いた企業はその学生への興味の度合いをプラカード「オレンジ色」または「ブルー色」を上げ示していく。オレンジ色の方が高い興味度を示すプラカードとなっている。
■企業との直接会話タイム
フリータイム。この時間は、自由に参加企業ブースの見学をし、企業と話す事ができる。10分ごとに違うブースに行くルールになっており、5回のみ移動が可能。つまりすべての企業は回る事ができない。また、名刺交換はNGであり、名前や顔、トークなどで勝負していく。ここでお互いに印象付ける事ができるか、理解し合えるがとても重要になる。
■別ブースではドラフト会議スタッフに何でも相談ができる
フリータイム中、学生はブースに行く事だけで無く、ドラフト会議スタッフに相談する事が可能。いったいどんなガチ相談をしているのだろう。筋肉の事だろうか。
■興味のある企業に対し、メッセージカードを渡す準備をする
エントリータイムの時間。この時間はフリータイム後に気になった企業に対して学生からカードを渡す事ができる。カードは2種類、「もっと知りたい」を表す青3枚と「是非働きたい」を表す黄色1枚。学生番号と氏名が記されるこのカードを渡せば、企業に興味があるということを伝える事ができる。働く形は正社員希望だけでなく、インターンシップ希望、アルバイト希望でもOKとのことだ。
■休憩中シーン
中央にはドリンクやお菓子が用意されており、休憩中など学生同士で情報共有などができる。
■マッチングの集計をするスタッフ達
すべてのプログラムが終わり、エントリータイムに学生が配ったカードや企業のスカウトカードを集計。閉会式ではスカウトされた学生の名前は非公開でマッチング数のみが発表された。企業はスカウトカードを5枚配る事でき、採用したいと思える学生を指名できるという。結果はなんと18組のマッチングが成立。会場が沸いた。
ルール上、その18組の中に自分が含まれているかを学生が知るタイミングは帰宅中となる。学生はドラフト会議から帰宅時に封筒を渡され、その封筒の中に企業からのスカウトカードが入っていればドラフト指名されたことになる。この興奮を体験できたのはいったいどの学生なのか。筋肉バカは封筒自体をもらえなかった悔しさを胸に『スポーツトレーナードラフト会議』の会場を後にした。
(文・遠藤大次郎 写真・筋肉バカドットコム)