【第1回:筋肉で読む本】やってはいけない筋トレ

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坂詰 真二
青春出版社
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 筋トレに限らず、仕事でも勉強でもスポーツでも、とかく日本では回数や費やした時間を重んじ、賞賛する傾向があるのが残念なところです。

 例えば仕事で遅い時間まで残業していると、「あの人は頑張っている」という評価をされやすい。しかし長く行えば、心身は疲労し、判断力や思考能力は鈍り、仕事の効率が落ちてミスもしやすくなります。本来であれば仕事をした時間より、仕事の結果として表れる成果、つまり質が重要なはずです。(P17)

 

 皆さん、筋トレしてますか?
 筋肉バカドットコム読者の皆さんの間では半ば常識ではありますが、実は私達人間は「自分は今筋トレをしている」という意識がない時でも自然に筋肉を、マッスルを使っているものなのです。今この画面を見ている人は必ず毛様体筋(目のピントを合わせる筋肉)を使っている、などというように。

 そこで、この連載では、読む際に本のページをめくるための指の筋肉を鍛えることが出来るのみならず、読むことで筋肉について、さらには人間の身体についての知識をも得ることが出来る本を厳選して紹介していかせていただきます。あくまで「本の紹介」であり本の内容の要約を行うものではありませんので、是非ともここで挙げられた本を実際に手に取って読んでいただければと思います。1冊読むごとに自分の身体の扱い方が上達し、さらにページをめくるために使う指の筋肉も鍛えられるということをお約束します(電子書籍で読む場合はスワイプする際に使われる指の筋肉が鍛えられるということになると思います)。どうぞお付き合いください。

 

 さて、この本、「やってはいけない筋トレ」というタイトルなんですが、これは正直マーケティングの犠牲というか、人の関心を引く(と言われている)手法を用いよう、として付けられたタイトルなのかしら、という感もなくはなく、ちょっと本の中身とはギャップがあるように感じられます。実際の内容は、「やっていい、やるべき筋トレ」です(因みにこの「やっていい、やるべき筋トレ」という言葉は本書の「はじめに」からの引用です。著者本人はこのタイトルでと考えていたところに編集者が「内容そのままのタイトルにするより扇動的なタイトルにしといたほうが売れるで」みたいなこと言ったんじゃないの、などと邪推してしまいます)。

 

 ただ筋肉を使いさえすれば筋肉が発達するというものではない、筋肉の仕組み・組成といった理屈から考えて効率的で安全な筋トレをすべきである、ということが延々と書いてある本ですので、常日頃から筋肉(マッスル)のことを考えている筋肉バカドットコム読者の皆さんの水準からするとちょっと易しすぎる本かもしれません。しかし、安定して直立した姿勢を取るためには下半身の筋肉が重要であるように、何事にも基礎は重要である、と考え、今回「筋肉で読む本」の1冊目として取り上げさせていただきました。

 

 筋トレに慣れている人だからこそ、筋肉を作り上げる上で、たまに「基本を確認する」という工程を挟むということも忘れずにいたいものです。

 

(文:マッスル剛志)

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