【書評】「筋肉への意志」に瞠目 増田晶文『50歳を過ぎても身体が10歳以上若返る筋トレ』(SB新書)

q? encoding=UTF8&ASIN=4797377003&Format= SL250 &ID=AsinImage&MarketPlace=JP&ServiceVersion=20070822&WS=1&tag=100000000proj 22 - 【書評】「筋肉への意志」に瞠目 増田晶文『50歳を過ぎても身体が10歳以上若返る筋トレ』(SB新書)ir?t=100000000proj 22&l=as2&o=9&a=4797377003 - 【書評】「筋肉への意志」に瞠目 増田晶文『50歳を過ぎても身体が10歳以上若返る筋トレ』(SB新書)

仕事でもないのに、何かに深い愛情を持って打ちこむ、ということはないだろうか。

 本書は、筋トレの意義ややり方を紹介する本でありながら、筋肉への愛情、筋肉への意志に満ちあふれた奇書である。運動嫌いの、メタボ体質の評者は、大量の脂肪のある腹を抱えて笑い、それと同時に筋肉の奥深さに感心した。

 

 著者の増田晶文さんは、54歳にして胸囲98センチ、ウエスト73センチ、体脂肪率が7~8%台という、メタボからかけ離れた体型をしている。そんな増田さんは「筋トレはやればやるほど効果が出る。筋トレは裏切りません」と主張している。運動経験の少ない評者でも大丈夫だろうかと思いながら読んでいると、「運動経験のなかった人にこそやっていただきたい」と、思わずはげまされてしまった。

 

 ボディを若返らせることにより身体と気持ちを若返らせ、生活改善にも役立つ。そしてその筋トレは、他人と競わなくてもいいというメリットもある。

 筋トレの実践については写真入りで紹介。スケジュールの立て方からベンチプレスなどの全身トレーニング、脚・肩・腕・腹まで、気になる箇所の基本的な鍛え方を示している。

 

 おそらく、このサイトの読者には20代、30代の方も多いだろう。日々筋肉の鍛錬に余念のない人もいれば、自らの贅肉に深い悩みを抱いている人もいる。だが、筋トレはいつでも始められ、高い年齢の人でもマイペースでできる。

 そして筋肉をつけたい人、あるいは脂肪に苦しんでいる人のために、ダイエットの際の食事やプロテインなどについても触れている。

 

 無理をしない筋トレでは効果はないのでは、という疑問を持っている人に対しては、無理のしかたまで懇切丁寧に指導。
 細かいやり方やポイントまで説明し、その背景には筋肉への深い愛情、言ってしまえば筋肉ラブの精神が深く息づいている。

 

 著者は、スポーツノンフィクションを主たるフィールドとし、多くのトップアスリートも取材している。トップアスリートは、スポーツする姿だけではなく、その筋肉そのものも美しい。
 アスリートの筋肉に取りつかれ、自らの筋肉にも取りつかれた男・増田晶文。筋肉への意志に満ちた同書を読めば、筋トレをしている人はより一層筋トレにはまるだろう。

 

 そして老いてなお筋肉を探求する著者は、「筋トレのおかげで、実年齢より身体は若々しくできます。そこに成熟した人生観が加わっているのが『あるべき大人』ではありませんか」と訴えている。

 

(文:小林拓矢)

 

【関連商品】

このサイトをフォローする!